＃４５ ページ45
夕凪が使用人達から借りて来た"少女漫画"とやらは、それはそれは色んな話があった
幼馴染が思春期に入り意識し合い結ばれる物語
毛嫌いしていた相手の意外な一面を見て、不可抗力に恋に落ち奮闘する話
学年一の人気者の男の子と冴えない女の子が出会い、自分磨きをして恋人の座に上り詰めていく話…
どんな物語にも、読者の心を揺さぶる描写がいくつもあり
これが俗に言う疑似恋愛体験…とやらなのかしら
ただ、どの話を読んでも理解出来ない事が一つ
A｢……どうして
絶対に敵いっこないハイスペックなライバルが出現しても、最初は見向きもしてもらえなくても…周りから冷たい仕打ちをされて躓いても
それでも、どの物語のヒロインも必ず自力で立ち上がり前を向いて進んで行く
分かっているわ、それが物語の中の話だからだと言ってしまえばそれまでな事は…
でも、その作り話と分かっている事でも
こんなにも感情移入して、無意識に共感して 手や肩に力が入ってしまう
ぼろぼろになって、もう無理だと逃げ出したくなってしまいそうな時も
踏ん張って立ち上がりたいと思える程の、その原動力は……一体…
夕凪｢それは、実際 その立場にならなければ分からない物ですね…｣
A｢…夕凪は、もう そう思える相手が居るの？｣
夕凪｢……はい、お一人だけ…私の場合は恋ではありませんが｣
A｢そう…羨ましいわ…｣
私には知り得ない感情…
夕凪｢…ですが、お嬢様…一つだけお伝えさせて下さい…｣
A｢…？｣
夕凪｢恋は人を変えます。その本のヒロイン達のように、その変化は自身を幸せな道へと誘う道標となるかもしれません
でも…それは、未来の決まっていない方達の場合に限ります
……正直、お嬢様には恋はして欲しくありません。いつか…諦めなくてはいけない恋になるからです…｣
A｢…夕凪｣
申し訳なさそうに…苦しそうに…眉を顰めて俯きながら言う夕凪の、その言葉の意味が…痛い程に分かってしまった
忘れてはいけない
私はいつか……親に決められた人の元へ、嫁ぐ身だという事を
A｢…分かっているわ。さっきも言ったじゃない、私の話では無く知人の話だと
心配する事ないわ。私は誰かに恋なんてしたりしない…私に恋は…不必要だもの｣
夕凪｢…それならば、良いのですが…っ｣
私は、籠の鳥だという事を……
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momoko19960430(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして。コメントありがとうございます。元々あらすじは決まっていて、最終的には五条さんと結ばれる作品として描いております。紆余曲折はありますが、見守って頂けると嬉しいです。頑張ります(^^) (2021年11月30日 14時) (
レス) id: 97219a3715 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - Pさん初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張ってください。応援しています。 (2021年11月30日 1時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：P | 作成日時：2021年11月22日 22時
