【ぬらりひょんの孫】糸繰草 参 【初代】

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「確かにそれもそうだな。あんな老婆がこんなので驚いたか？」

「い、いえ！！
奥方様はご高齢でも大変お美しゅうございました…！」

「………ははは！そのように慌てずとも良い。
だが、そう言ってくれるならありがたいものだな」



あんな老婆に向かってそんなことを言うのはぬらりひょんと鯉伴くらいだ。と笑って言えば首無はそんなことはないとわたわたしていた

首無はずいぶんとこの数百年で性格が丸くなったものだ
あんなに鯉伴に向かって怒鳴り散らしていた彼がこうも丸くなるほどの時間だったか、数百年というのは



「リクオ」

「A、ちゃん？
……いや、婆さんって呼んだ方がいいのか？
いやでも同級生だし…」

「呼び方などお主の好きなように呼べ。
私と言う存在は呼び方ごときで価値が変わるわけではない」

「ははッ、そうだぜリクオ！
おふくろはなんて呼ばれようと変わらねぇよ。
リクオ、お前の好きなように呼んでやんな。
Aでもいいし婆さんでもな」



鯉伴は酒が入って気分がいいのか、私と肩を組み、いつも以上ににこにこしている
こういうところは本当にぬらりひょんと似ている



「どれ、鯉伴。次はお前の妻をちゃんと紹介しておくれ。
しっかり母として挨拶をしてやろう」

「！おう！今呼ぶから待ってくれ！」



その後、鯉伴は意気揚々と妻である若菜を連れてきて愛おしそうに見つめながら私のことを紹介した









この数百年で奴良組は随分と変わった
けれど根本的なものは何一つ変わっておらず、なにより相変わらず騒がしいところだ
けれどその騒がしさが本当に愛おしくて
私を自慢するぬらりひょんの嬉しそうな顔を見て私も嬉しくなって






ここが私の家であることを嫌と言うほど理解させられた気がした















(若菜です、よろしくお願いしますお義母さん)

(鯉伴の母のAだ。若菜、失礼だが今年齢は？)

(今は30です！お義母さんと会えて本当に嬉しいです私)

(ありがとう…………ん？30？リクオの年齢的に…鯉伴貴様未成年に手を出したのか！！！！？)

(ゲッ)

(そこに直れッ！！！)

(ガハハ！鯉伴いい気味じゃ！)

(親父も一回遊びで昔未成年引っ掛けたくせによ！)

(2人とも雁首揃えて直れこのジジイ共！！)

(ぎゃああああ！！！！！)
(ぎゃああああ！！！！！)

(キャハハ！大将も鯉の坊も仲ええのう！)

(いや、狒々。仲がいいとはいわないだろうこれは)

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