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渡された紙には、私の顔と名前とちっちゃい絵が四つ書かれていた。
『脅威
常に警笛を携帯している。笛を鳴らせば予想外の音にハンターは一定時間気絶状態になる。』
『恐怖
ハンターに追われている時、恐怖からか板越え窓越えの速度が15%低下する』
『記憶
彼女は狭い路地に恐ろしい恐怖を抱いているようだ。開いていない狭い場所では歩くことが出来ない。いつも後ろを警戒して誰にも追いつかれないように走っている。』
『恐れ
ハンターに追いつかれることに激しい恐怖を覚えている。彼女は、ハンターに追いつかれないように全速力で走る。ハンターに追いかけられている時移動速度が20%上昇する。』
これがいいのか悪いのか、比較の対象が何もないから、平均かすらもわからない。
「けど、この恐怖ってやつは厄介だな。」
何もわからない私には、とりあえず頷くことしかできない。
「…A、あまりよくわかってなさそうね。けどきっと大丈夫よ。」
エミリーが私を安心させるように優しく微笑んでくれた。
「…実践あるのみ! なのー!! そうと決まれば、ゲームするなの!」
私の腕と自身の腕を組んで、行くなのーとうきうきした様子で部屋の扉を開けた。
「待って! 私も行く!」
後ろを振り返ると、トレイシーちゃんがぴんっと綺麗に手を伸ばしていた。
その後ろで、自分もというようにナワーブさんも手を挙げていた。
「私は、ナイチンゲールさんにお茶に誘われちゃったから。残念だけどまた今度。」
それだけ言って、エミリーさんはエマが開けた大きい扉とは違う少し小さめの扉から出て行った。
「ばいばいなのー…。じゃあこの四人で行くの!」
エマは、閉まった扉をもう一度開けた。
「…あ、すみません。」
開けた扉の先には、高い身長の男の人が立っていた。
それこそ、このおっきい扉と同じくらいの背丈の。
「あ、リッパーさんなの! そうだ、これからこの四人で一緒にゲームするけど、リッパーさんも一緒にしますなの?」
エマが話しかけた相手には、既視感があった。
大きいかぎ爪に、すらっとしていて高いというよりかは細長いという表現のほうが似合いそうな背丈の男の人。
言いようのない恐怖を感じた。
「ぜひ、私でいいのなら。サバイバー側は、トレイシーさん、ナワーブくん、エマさんと…おや、見かけない方ですね。」
相手の殺人鬼は、私のことを見かけたことがないというが、私の方は忘れることもできない。
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暁郗 - 18ページの下から2行目の中直り、仲直りになってますー! (2021年5月3日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
戌井そら(プロフ) - 46さん» ご指摘ありがとうございます!気づいてなかったです……。直してきます!! (2020年3月15日 17時) (レス) id: 803ceaac19 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - 11の8行目のエマちゃんのセリフで中治りが仲直りになってますよ! (2020年3月14日 14時) (レス) id: 5d23b6633a (このIDを非表示/違反報告)
Lano.(プロフ) - 桜猫さん» コメントありがとうございます!これからの更新に乞うご期待を…! (2019年11月6日 19時) (レス) id: 803ceaac19 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 二人ってくっつくのかな… (2019年11月6日 16時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
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