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「…ね、ねぇA…なの?」


そう聞かれて、ずきずきする頭を縦に振った。



「そうなの! ごめんなの。今日初めてAと話したから、自己紹介してなかったなの。」


ごほんごほんとわざとらしく咳をしてから、えっへんとでもいうように胸を反らせて話し出した。


「私は、庭師のエマなの! エマ・ウッズっていうの。」

そういえば、あなたはどんな能力なの?と無垢な瞳で問いかけてくる。


「…の、能力?」


「…? 能力なの。例えば、私だったら椅子を壊すの!Aはなになの?」


「わ、わかりません。…なんか思い出そうとしたら頭がずきずきして。」


起きる前の事はあまり覚えてない。

思い出そうとすると、ずきずきと痛む頭を押さえた。


「…Aは何週間も寝てたから仕方ないのかもしれないなの。きっとまた明日になれば思う出すなの!」


「ね、てた?」


「そうなの、何週間もずっと寝込んでたから皆心配してたなの。…そうだ! 早くみんなに顔を見せに行くなの!」


そういって、さっきまで寝ろ寝ろと言って寝かせていた私の手を引っ張って行った。


「ね、ねぇエマさん。」


「なになの〜? あ、エマでいいの!」


振り返って私の方を見たエマさんもといエマは、笑顔だった。

…こんな顔されたら、止める事もできないじゃん。



「やっぱ何もないです。」


首を傾げたが、またすぐにエマは私の手を取って走り出した。


二メートルはゆうに超えているであろう大きな扉の前で、エマは一度立ち止まった。

自分の身長の倍くらいある扉を、見上げた。



「じゃあ、入るの!」

開けた扉に、私の背中をぐいぐい押して先に入らそうとしてくるエマ。

「わかりました、入ります。」


そう言って、部屋に足を踏み込んだ。



「…! お前が『逃亡者』なのか!」

緑色のフードを被った男の人が、部屋に入るなりすぐさま近寄ってきた。


「もー! そんなにいきなりいったらAが困るのー!」

エマが、私とフードの人の間に入って、私を庇うような体制を取った。


「あ、あぁ。すまん。つい同じチェイス仲間かと思って興奮してしまったんだ。」

「チェ、チェイス?」


初めて聞く言葉に首を傾げた。

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暁郗 - 18ページの下から2行目の中直り、仲直りになってますー! (2021年5月3日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
戌井そら(プロフ) - 46さん» ご指摘ありがとうございます!気づいてなかったです……。直してきます!! (2020年3月15日 17時) (レス) id: 803ceaac19 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - 11の8行目のエマちゃんのセリフで中治りが仲直りになってますよ! (2020年3月14日 14時) (レス) id: 5d23b6633a (このIDを非表示/違反報告)
Lano.(プロフ) - 桜猫さん» コメントありがとうございます!これからの更新に乞うご期待を…! (2019年11月6日 19時) (レス) id: 803ceaac19 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 二人ってくっつくのかな… (2019年11月6日 16時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:煮汁 | 作者ホームページ:https://  
作成日時:2019年2月16日 11時

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