検索窓
今日:17 hit、昨日:25 hit、合計:162,808 hit

18 ページ21

「どうかしたのですか。」

仮面で見えないから、今彼がどんな表情をしているのかはわからない。
けど、仮面の穴から見える彼の目は弧を描いていた。
それが、不気味で思わず身震いをした。


さっきのエマもいた部屋に戻ろうと後ろ手でドアノブを捻っても、動きすらしない。

頭にはさっきのエマの言葉が浮かんでいた。

『ここは一旦出たらもう一回入ってこれない』

「…。」

声も出せず、そのまま立ち尽くしていると彼はおやなんて言って顔を近づけてきた。


「汗、かいているじゃないですか。そのままにしていたら風邪をひいてしまいますよ。」


そういって、私のこめかみに手をやろうとしてきたから、その手をぱしっと払った。

彼は、払われた手をじっと見つめた。



その会話の無い空間が、とても怖く。
ゲームをする前には、減らず口を叩けたというのに。

一度あのゲームに出てくる不気味な空間に入ってしまうと、いろいろと追いかける側(ハンター)には違った印象を抱くのか。



「や、めてください。」

それだけいって、彼の横を通り過ぎようとしたがそれは阻まれてしまった。
腕を掴まれる感覚がした。


「……あの、ぜひこの後私と一戦交えてくれませんか。」

有無を言わさないような威圧感のある物言いに、私は返事をすることもなく固まってしまった。



「あっ、リッパーさんなの!!」

さっき私が出てきた扉から、エマが顔だけをひょこっとのぞかせた。


よかったなの〜と呑気に言って、部屋から出てくるエマ。




「どうかしたの?」


「あぁ、いえ。Aさんとさっきしそびれた試合に誘っていたところなんですよ。」

エマはそれを聞いて顔を明るくさせた。

__あぁ、なんだか嫌な予感がする。


「わー!! じゃあするの!! トレイシーたちも呼び出してしたいの!!」


嫌な予感が的中したと頭を抱えた。

19_Ripper→←17



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (194 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
389人がお気に入り
設定タグ:第五人格 , IdentityV , リッパー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

暁郗 - 18ページの下から2行目の中直り、仲直りになってますー! (2021年5月3日 23時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
戌井そら(プロフ) - 46さん» ご指摘ありがとうございます!気づいてなかったです……。直してきます!! (2020年3月15日 17時) (レス) id: 803ceaac19 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - 11の8行目のエマちゃんのセリフで中治りが仲直りになってますよ! (2020年3月14日 14時) (レス) id: 5d23b6633a (このIDを非表示/違反報告)
Lano.(プロフ) - 桜猫さん» コメントありがとうございます!これからの更新に乞うご期待を…! (2019年11月6日 19時) (レス) id: 803ceaac19 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 二人ってくっつくのかな… (2019年11月6日 16時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:煮汁 | 作者ホームページ:https://  
作成日時:2019年2月16日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。