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もし。
俺が静かに逝けず、何か残していってしまったなら、この手紙はグルッペンが自由にしてくれ。
もし、幹部に後悔の念が少しでもあるようなら見てほしい。
無いなら笑ってくれ。
そして燃やしてくれ。
今回の件に関して、俺は何とも思っていない。
幹部と関わった日々も、苦ではなかったからな。
俺は書記長や外交官が幹部となった日から部屋に引きこもり始めた。
それは、病気が進行し、戦闘が難しくなってしまったからである。
俺の病気は先天性のものであり、完治は出来ない。
ならば、と思ったことが全ての始まりだ。
お前達と関わると、どうしても決心が揺らいでしまうと考えた俺は、自分から
”無能”を作り上げた。
全て、俺の計画である。
全く気に病む必要はないのだ。
それでも、まだ気にする者はいるだろうか。
居るのならそれが俺の遺した唯一の後悔だ。
俺は、最初に書いた通りお前らが好きだ。
だからこそ、笑いあっていてほしい。
部屋の外の活気ある声、あれを聞くのが楽しみでもあったんだ。
いつからか俺が邪魔をしてしまっていたが、どうかあの頃に戻ってほしい。
叶わぬ願いだろうか。
否、簡単な事だろう。
我々国は幹部の結びつきが強い国だ。
その結びつきは俺が過去見てきたどの国にも負けはしない。
この国ほど総統と幹部の距離が近く、楽しげな国は一つとしてなかった。
最後に。
俺が始めたこととはいえ、自分で書くのは違うと思うのだが書かせてもらう。
自信を持て。
前を見ろ。
見るべきはなんだ。
向かうべきはどこだ。
後ろを振り返るな。
戻ることなど出来ないのだから。
だからこそ何があっても進まねばならない。
折れる日もあるだろう。
思い出すこともあるだろう。
理由のある行動をしろ。
意志を持て。
過去を見ず目の前の敵を見ろ。
お前達が忠誠を誓ったのは誰だ。
思い出せ、誓った日を。
最後にもう一度、ここに誓う。
ハイル・グルッペン
我々国、幹部たちに永遠を＿＿＿＿＿＿＿
＿完＿
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作者名：朱雀 | 作成日時：2023年4月30日 23時
