死者一名の戦争 Ⅳ (ページ19)

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「＿＿＿＿＿ぁ」

「来たんだね、みんな。」

そういったしんぺい神は疲弊しきっていて、その目には気力など残されていないようだった。

「＿ぇ、……寝てるだけ、やんな？」

「こいつ、…？」

「……わかるでしょ、みんななら。」

俺よりも、何回も、何十回も、何百回も何千回も目にしてきた君たちなら。

その一言が耳に入った瞬間、頭を強く打ちつけられたような感覚がして、胃から何かがこみ上げた。

「あんなに戦場走りまわってたやん…」

「どうやら強力な痛み止めを飲んでいたみたいでね……クラレ先生が吐いてくれたよ。」

「でもなんでAはここに…」

「それは俺が連れてきたんだ。」

「兄さん……」

「俺が、倒れているのを見つけたんだ。それで連れてきた。」

「Aはね、一昨日ここに帰ってきたんだ。それまではクラレ先生の所にいたんだけど…
　昨日の晩に、眠っちゃった。」

「もう、起きないんか……？」

「起きないよ。

＿＿ごめんね、Aの最後の願いだけは叶えてあげたいなと思って。」

「………最後の願いって、なんなん、」

「”城で、静かに死ぬこと”だ。」

絶望に代わる、感情。

謝るべきことが、話さなくてはいけないことが、

もう一生できなくなってしまった。

懺悔してもしきれない。

押しつぶされそうな感情に、立ち尽くすことしかできなかった。