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「…なぁ」
「なんや」
静かな会議室に、小さな声が響いた。
戦争が終わって数日。
その間、総統や軍医などを除いた幹部たちは気が気ではなかった。
無能と罵った人に、国を救われたのだ。
「ホンマに彼奴、やったんよな」
その声は動揺しているような、否定してほしいような。
悲痛な声をしていた。
「彼奴だったよ。間違いなく。」
そんな声を真っ向からひとらんらんは否定した。
あの時、自分がつかんだのは間違いなくAの腕だった。
軍人とは程遠い、細く、力を入れれば折れてしまうのではないかと思うほどの腕を。
「でも、」
「でもやない。……俺は、あいつに助けられた。ゾム、お前も見てたやろ？」
”もう、現実からは目背けられんぞ。”
その言葉に何人もの幹部たちの目が揺れた。
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作者名：朱雀 | 作成日時：2023年4月30日 23時
