角砂糖に愛を込めて【WT】【短編集】 (ページ7)

今日:81 hit、昨日:324 hit、合計:27,972 hit

フォーリンラブ*【kn】ページ7

大学生kn×高校生夢
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

kn side

閑散とした店内で俺はカウンターから外を眺める。厨房の方では絶えず忙しそうだ。厨房の仕事をクビになった俺は、お客さんを席に案内したり、料理を運んだりと接客メインになった。

「ここここ！ね、めっちゃ良くない？」

外を眺めていたらドアベルが鳴る。ドアの方に視線を移すと制服姿の女の子が2人、楽しそうに話していた。俺は席に案内するためにドアへ向かう。

「いらっしゃいませ。2名様でよろしいですか」

『あーもう⋯2人だけです。ありがとうございます』

「お席にご案内しますね」

片方の子がスマホから目を離さないので、隣の子が代わりに答えてくれる。かなり好みの容姿をしてて、身長差もあって上目遣いに近い。ドキッとしてしまって冷静を装いながらも足早に席へ向かう。
これが一目惚れってやつか、。

たくさん席も空いているけれど、カウンターから見える入口に近い席に案内した。

「ご注文が決まったらまた呼んでください」

俺はまたカウンターに戻り、心を落ち着かせるために食器を拭く。特に意味はないけれど、ここに突っ立ってるのも変な人だしそうする事にした。

しばらくするとさっきスマホを見ていた方の女の子から「すみませんー！」と大きな声で呼ばれた。

「えっと、ホットココア1つ、と⋯⋯Aは？」

Aと呼ばれた女の子。Aちゃん、かぁ⋯。心の中だけでもそう呼ぶことにしよう。Aちゃんのことは会ったばかりで何にも知らないはずなのに、一つ一つの仕草を見る度にどんどん好きが溢れてくる。

『__________大丈夫ですか？』

「あ！すみません。もう一度お願いしていいですか？」

『えっと、ホットココアと紅茶のストレートをお願いします』

「ホットココアとストレートティーですね。かしこまりました。少々お待ちください」

ついAちゃんに見蕩れて、ぼーっとしてしまっていた。そのせいでAちゃんの注文を聴き逃してしまった。それでも嫌な顔1つせずもう一度言い直してくれる。

俺は伝票をポケットにしまい、カウンターの方へ戻った。