ワイテる彼ら。Ⅱ【WT】 (ページ16)

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昨日、少し寝るのが遅くなってしまって朝起きれなかった。これまでだったらもっと焦っていたんだろうけれど、空音ちゃんから一緒に学校に行くのも拒否されてしまったし、いつも通り用意した。

『あれ、、ない…、』

下駄箱について私のところを見ても私の上靴がない。昨日は絶対持って帰ってないはずだし⋯。どこに行ってしまったんだろ。

今日は時間にゆとりがないから探すのはやめて職員室に直行する。私の学校では職員室で上靴の貸し出しを行ってくれているから。

「明日は忘れんなよー」

担任の先生からそう言われ、上靴を受け取る。絶対忘れた訳ないのに、。

kn「おはよA。今日遅かったね？」

『ん、おはよう。なんか上靴が無くなってて⋯』

kn「そうだったんだ。おいで、」

教室に着くと、クラスの大半の人が揃っていた。でも、私の席の周りだけ不自然に人が居ない。いるのはきんときくんだけだ。

おいで、と言われてきんときくんの方に近付くと爽やかな笑顔を浮かべて私の頭を撫でてくれた。大きくて少しゴツゴツした手が暖かい。

『ありがとう、きんときくん』

kn「Aの為なら全然」

頭を撫で終わったのか、きんときくんは手を下ろす。すると次は手を繋がれた。これはこれで体温を感じれて暖かい。

「席つけよー」

「あ、席替えの紙も貼っておくから動かしてくれ」

さっきも会った担任の先生が教室へ入ってくる。そして黒板に白い紙を貼る。きっとそれが席替えの紙なのだろう。

そして、先生の後ろからぞろぞろときんときくん以外のワイテルズのみんなと空音ちゃんが入ってくる。空音ちゃんの所へ行きたくて走ろうとしても、それを先読みしてたかのようにきんときくんが強く手を握っているから動けない。

『席替え見に行きたいかも、』

kn「あ、Aはあっちの1番端っこで隣なかむだよ。ジャンケンに負けて俺ちょっと遠いんだよね」

どうして見に行っていないはずのきんときくんが知っているのか、と困惑するも、すぐに自己解決する。この席替えもワイテルズのみんなが仕組んだんだろう。

それにしても隠す気もなく堂々と言うもんなんだ⋯。

br「おはよ〜！A！僕Aの前勝ち取ったから！よろしくね〜」

ぶるーくくんも私の元に来てそう言ってくる。本当に隠す気はないらしい。