透明な影 【KAITO】 分岐1

・Ｃ-Phase31 ページ7

ステルス状態を解除する。
僕の姿を見た彼女は、一歩、また一歩と後ろに下がる。

「マスター、帰りましょう？」
「嫌、帰らない！」
「お腹、すきませんか？」
「食べないから。」
「寒くないですか？」
「いいから帰りたくないっ！」

「どこに逃げようってったって、無駄ですよ？」

疲れきった彼女は、その場にヘたり込む。

彼女を背負い、家へと帰る。もちろん、逃げ出さないように、マフラーで堅く縛って。

「さ、着きましたよ、マスター。」

僕の部屋へ、彼女を連れる。
彼女にもらったもの、彼女の写真。
小さい頃から今まで、撮ってもらったもの、密かに撮っていたもの。彼女の捨てたもので、ゴミ箱から僕が拾ったもの。何もかも、彼女で埋め尽くされた僕の部屋へと。

「わかってますか？マスター。マスターは僕のものなんですよ？」
「…何する気よ。」

彼女の体を、縛り付ける。

「やめて！やめてよカイト放して！」

騒ぐ彼女の口を、僕の唇で塞ぐ。

「僕のものですから、もう、どこにも行かせやしません。ずっと、ずっとここで一緒に、幸せに暮らすんです。」

反抗的な目、苦しそうな表情…

モットモット、見セテクダサイ？

コレカラモット、モットタクサン。

僕ノ、僕ノ可愛イマスター。

明日ハ、ドンナ表情ヲ見セテクレルカナ…

ーendー

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