笑う月影【ツイステ】

覚醒ストレンジャー！act.3.5 ページ6

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鬱蒼とした夜の森にある、黒い舘。

荒れた墓石だらけの庭に転がるジャック・オー・ランタンは口を歪ませこちらを見ている


舘の正体は、影の支配者の明朗な精神に基づくアルトプラウム寮。


この寮唯一の寮生にして、寮長のドミニク・ボーグルは絶賛お寝坊中であった……。




彼のお寝坊の原因は彼のユニーク魔法、揺れ動く3人の影(ロック・ショック・バレル)であった。

寝る間際に発動させ掃除を命じていたのだが

解除をせずに眠りについてしまい、悪ガキ3人の影に今日のためにかけた3つの目覚まし時計全てを隠されてしまった訳である。




しかし、この寮には彼らだけでなくゴーストも住み着いて居た。

惰眠の限りを尽くし、刻一刻と遅刻する彼を見ていられずゴーストたちは館の主を起こすために行動。



天蓋の着いたベッドを覗き込むゴーストたち。
案の定ドミニクはすやすやと深い眠りについたままでいた。



ゴースト ｢……おい、ドミニク
今日は入学式じゃなかったのか……！｣

声をかけ、体を揺らし、大きな音を立て、あの手この手で彼を起こそうと奮闘するゴーストたち。




彼らの努力の末、ドミニクの目が薄らと開いた。


ドミニク ｢んん……、なんだ君たち…、こんな時間に人を起こして…まだ外は暗いじゃないか……｣


ドミニクの言う通り、外はまだ暗かった。

何故なら、この寮は永遠の夜にあるからだ。
即ち、寮に日光が差し込むことは無い。



ゴースト ｢何言ってんだ、オマエ
此処に太陽が登ることなんてありえないんだぞ……！！時計を見てみろ！！｣


不機嫌になりながらも体を起こし、眠い目をこすりながらゴーストが寄越した時計を見た。



時計の針を見て、彼は全てを理解した。



ドミニク ｢……これは僕の見間違いかな？

式が始まっている時間なんだけど……？｣


これはおかしい、何故だ、寝る間際に僕は目覚まし時計を3つも準備したのに


寝る間際に……？




全てを理解し怒りに顔を引き攣らせるドミニク。
ドアから3つの黒い影の頭が見える。


ドミニク ｢良くもやってくれたな！こよ悪ガキ3人組！！！｣

逃げ出そうと駆け出した3人の影。



ドミニク ｢今日という今日は許さない！！｣


すぐさまベッド横のサイドテーブルにある自身のマジカルペンを握り、魔法を解除する。


駆ける3人の影は蝙蝠となり飛び散って影に溶け込んだ




深い溜息を着き、ベッドに腰掛け頭を抱えた。


はぁ……、遅刻決定だ。
早く支度しよう。

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