笑う月影【ツイステ】

冷酷アンサー！act.4 ページ18

その頃、鏡の間に残されたユウ。


クロウリー ｢──さて、ユウさん。
大変残念なことですが……

貴方には、この学園から出て行ってもらわねばいけません。｣

闇の鏡により魔力がないことを言い渡され寮分けされなかった彼にクロウリーは言う。


クロウリー ｢魔法の力を持たない者をこの学園へ入学させるわけにはいかない。｣


学園長であるが故に理事長により賜ったナイトレイブンカレッジの規律を、秩序を守らなければならない。



クロウリー ｢心配はいりません。闇の鏡がすぐに故郷へ送り返してくれるでしょう。

さあ、扉の中へ。故郷のことを念じて……｣

先程も自身を納めていた棺、元い扉へ入る。



ユウ ｢長い夢だった……｣

密閉された箱の中で虚しくもユウの声はよく響いた。

ゆっくりと瞼を閉じ、故郷を思い浮かべる。



クロウリー ｢さあ闇の鏡よ！
この者をあるべき場所へ導きたまえ！｣

クロウリーが闇の鏡に告げ、転送魔法を行使しようとするも闇の鏡は依然として口を開かない


闇の鏡 ｢………………｣


もう一度闇の鏡に告げるクロウリー



クロウリー ｢ゴ、ゴホン……もう一度。
闇の鏡よ！この者を……｣

告げ終わる前に闇の鏡は口を開きクロウリーの言葉をかき消した。



闇の鏡 ｢どこにもない……｣


クロウリー ｢え？｣

そう言った闇の鏡に耳を疑うクロウリー




闇の鏡 ｢この者のあるべき場所はこの世界のどこにも無い……｣




闇の鏡 ｢無である。｣


静まり返る鏡の間、言葉を理解し信じられない事態に思わず声を荒らげるクロウリー


クロウリー ｢なんですって？そんなこと有り得ない！
ああ、もう今日は有り得ないのオンパレードです。｣


うぅ……とクロウリーも頭を抱える。


闇の鏡 ｢…………………………｣

またしても口を噤み、黙り込む闇の鏡。


クロウリー ｢私が学園長になってから、こんなことは初めてでどうしていいか……。

そもそも貴方はどこの国から来たんです？｣

事態を解決せんとクロウリーはユウに問いかける


ユウ ｢実は………｣

自身の産まれ、育った場所の名前をクロウリーに答えるユウ。


クロウリー ｢……聞いたことのない地名ですね。
私は世界中からやってきた生徒の出身地は全て把握していますが、そんな地名は聞いたことがない。｣


クロウリー ｢一度図書館で調べてみましょう。｣

そう言い、2人で鏡の間を後にした。




そんな2人の後ろにとんがり帽子の影。



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