玖。あたし、平安生まれなんですけどっ！？ ページ10
「てなわけで、俺が泣かせちまったみたいで…」
鶴丸にかくかくしかじかとこれまでのことを頭を抱えて話す獅子王。
「A、僕も小夜も兄さんもAのためならいくらでも焼き芋くらい焼いてあげるから、ね？」
無言でAの頭を撫でる小夜と宥める宗三。
「うちの子は天使とはこういう事をいうのでしょうか…？」
鶴丸から借りたカメラで次々と写真を撮り続ける江雪。
なんだか面白いことになってやがると蚊帳の外だった鶴丸はにこにこです。
一方Aはどうやったら涙が止まるか分からずポロポロ涙を零し続けています。
「焼き芋一つでまさかこんなに泣くなんて、本当に幼児だな。」
「っひくっ…子供じゃないっ……」
「はっはっはっは！そうだなAは子供じゃないもんな！」
そうだ、いいこと思いついたと鶴丸がにやりと笑いました。
「A！ちょっと目を閉じてみろよ。」
「？うん…」
Aは言われた通りに目を閉じました。またぽろりと涙が流れました。
鶴丸はそっとAがいつも髪を編んでいるところに刺している髪飾りを引き抜いて自分の袖にこっそりしまい、替わりに何かを刺しました。
「もう目を開けていいぜ？」
Aは鶴丸の声に目を開けましたが、自分ではどうなったのかは分かりません。
小夜がAにむかって自分の頭をポンポンと叩いて見せました。
恐る恐るAが髪飾りのあった場所に触れてみると、そこには淡い桃色の何かが刺してありました。
「？あれ？わ、棒付き飴だ！！」
「嬉しい驚きだろ？ほーら、あまりの驚きに涙もびっくりして引っ込んじまった。」
元の場所に髪飾りを戻すとにっと笑って鶴丸がウィンクしました。確かにあんなに頑固に流れ続けてた涙はもう止まっていました。
「よかったねAちゃん。」
「うん！ありがとう鶴丸！」
「なんの、なかなか良い驚きっぷりだったぜ！なぁ獅子王？」
急に話を振られた獅子王は気まずそうに頬を掻き頭を下げました。
「袴、捲っちまってごめん。まさか本当に女の子だったとは……ほんと、悪かったよ、ごめんな？」
「いいよ、もう怒ってないし。どうせ鶴丸がけしかけたんでしょ？気にしてないわ、顔を上げて？」
にっこりとAは手を差し出しました。
「あたしの名前は椿切A。これからどうぞよろしくね？」
「おう！これから困ったことがあったら、この獅子王兄ちゃんに任せとけ！！」
「あたし、平安生まれなんですけどっ！？」
拾。あたし、守ったり隠れたりは苦手なんですけどっ！！→←捌。あたし、泣いてないですっ！！
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菱神 昂(プロフ) - 特にリクエストはいただかなかったので、祭り会場は小ネタ置き場に改造いたします。 (2015年5月1日 20時) (
レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - 御礼祭リクエスト受付は本日21時からです。リクエストは必ずお知らせを熟読された上でお願いします。ある意味キーワードの代わりとなりますのでよろしくお願いいたします。著者。 (2015年4月30日 14時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - (3k猫*´∀`*){よきかな〜♪さん» コメントありがとうございます！この章から漸く本線が始まるなという感じです。今から更に盛り上がる筈ですのでこれからも椿切と本作をよろしくお願い致します！ (2015年4月9日 23時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
(3k猫*´∀`*){よきかな〜♪ - お〜！だんだん話が盛り上がってきましたね！更新頑張ってください！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: fdc932d927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菱神 昂 | 作成日時：2015年3月6日 23時
