漆。あたし、焼き芋は初めてなんですっ！！ ページ8
Aと小夜が泥だらけになりながら採ってきた薩摩芋はなかなかの大物揃いでした。
あまり大き過ぎるものは火が通るのに時間がかかるからと江雪は適当な大きさのものを選びパチパチと爆ぜる焚き火に焼べました。
「兄さん兄さん、お芋まだかなぁ？」
「A、急いても芋は焼けませんよ。」
何度目か判らない問いかけに江雪はAを撫ぜ諭します。だけど初めての焼き芋を目の前にAはワクワクソワソワと全く落ち着きません。
「またソワソワしてる、Aは本当に楽しみにしてるんだね。」
「Aちゃん、焼き芋食べたこと無いんだって。」
「そっかAは、今日鍛刀されたばかりだったね。」
「うん！あたし、此処に来て初めてお団子食べたの！人間の食べ物ってよくわからなかったけど、今は凄いなって思うわ！お団子以外にももっと色々な物が食べてみたいんだ〜」
えへへと笑うAは本当に幸せそうに笑います。
「じゃあきっとAはここでの生活をきっと気にいると思うよ。」
「うちには台所奉行がいますからね。」
「？太閤様がいるの？」
「今日の収穫計画も、うちの台所奉行が決めたんだよ。」
「Aちゃん、燭台切光忠にはまだ会ってない？」
「うん、挨拶の前に獅子王追っかけて飛び出して来ちゃったから。」
よくよく考えると年下相手に我を忘れて真剣必殺を使うなんて大人気なかったかもしれないとAは先刻の自分がなんだか恥ずかしくて、ほんのり頬を赤く染めました。
「そう、光忠はなかなかの凝り性だからきっと今夜はAの為に美味しいご馳走を作ってくれているよ。」
「え？あたし達みたいな刀がご飯を作ってるの？！すごい！人間じゃなくても料理って作れるんだ…！！」
「僕らも最初はAちゃんみたいにおどろいたよ。」
「さあ、お待ちかねの焼き芋が出来上がりましたよ。熱いので火傷しないように、気をつけて食べるのですよ？」
はい、と新聞紙に包まれた焼き芋が渡されました。箸も串も付いていない初めての食べ物にどうしていいかわからないAは聞くのも何だか気恥ずかしくてきょろきょろと三人を見回します。
それに気づいた宗三はにっこり笑ってAの方を向き、ぱくりとそのまま焼き芋にかぶりつきました。その様子をじっと見ていたAはなるほどそうやるのか！と花が綻ぶような笑顔で一口。
小夜と二人で頑張って採った芋は噛むとホロホロと解け濃厚な甘みが口一杯に広がります。芋掘りの疲れが一気に吹き飛ぶのでした。
捌。あたし、泣いてないですっ！！→←陸。あたし、貴方達よりはお姉ちゃんなはずなんですけど……
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菱神 昂(プロフ) - 特にリクエストはいただかなかったので、祭り会場は小ネタ置き場に改造いたします。 (2015年5月1日 20時) (
レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - 御礼祭リクエスト受付は本日21時からです。リクエストは必ずお知らせを熟読された上でお願いします。ある意味キーワードの代わりとなりますのでよろしくお願いいたします。著者。 (2015年4月30日 14時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - (3k猫*´∀`*){よきかな〜♪さん» コメントありがとうございます！この章から漸く本線が始まるなという感じです。今から更に盛り上がる筈ですのでこれからも椿切と本作をよろしくお願い致します！ (2015年4月9日 23時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
(3k猫*´∀`*){よきかな〜♪ - お〜！だんだん話が盛り上がってきましたね！更新頑張ってください！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: fdc932d927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菱神 昂 | 作成日時：2015年3月6日 23時
