陸。あたし、貴方達よりはお姉ちゃんなはずなんですけど…… ページ7
「宗三くん、江雪兄さんが呼んでるよ！小夜ちゃんも呼ばれてたよー！！」
「Aちゃん、走ったら危ないよ！」
「ふぅ、今日は大量だったな……Aの歓迎会でもやるのかな？」
一生懸命くるくると働くAは左文字三兄弟とすぐに打ち解けました。
江雪はAに自分を兄と呼んでほしいと言い、最初は自分の方が年上なのにとAは複雑そうな顔をしましたが、宗三と小夜は妹が出来たみたいだととても喜ぶので渋々頷いたのでした。
「薩摩芋掘りしてきてって、Aちゃんもやってみる？」
「あたしもやっていいの？」
「江雪兄さんと宗三兄さんは焚き火の準備をしてるから、僕らで採っておいでって。」
「うわ〜！もしかして焼き芋にするの？！」
「うん、たまに八つ時に焼き芋やるんだ。」
「いいな！いいな！焼き芋食べてみたい！！」
ワクワクとはしゃぐAに小夜もなんだか心が温かくなってきました。
「ここの薩摩芋は凄く甘くて美味しいんだ。」
土に汚れていなければ、手をつなげたのになと少し残念に思っているとAが小夜の手を取り走り出しました。
「そんなこと聞いたら待ちきれないじゃない！小夜ちゃん！早く行こう！」
Aの笑顔はキラキラぽかぽかしていて小夜からはまるでお日様みたいに見えました。
「待って、Aちゃん何処が芋畑か知らないでしょ！」
「あ、そっか！じゃあ小夜ちゃん前走ってよ！」
早く早くと急かすAを追い抜かし、今度は小夜がAの手を引っ張りました。
その様子を少し遠くから見守る江雪と宗三は目を合わせ穏やかに笑いました。
「江雪兄さん、随分Aを気に入ったみたいだね。」
「そういう宗三、貴方もとても穏やかな顔をしていますよ？」
「話に聞くあの椿切からAの姿は全然想像出来なかったよ。」
「……我々刀は善行も悪行も、主人次第ですからね。」
「あの子の性根があれだったのなら、さぞかし苦しかっただろうね……」
Aの笑顔からは全く想像出来ない撫で斬り椿の逸話を思い出し、宗三は彼女の心情を慮り、重い溜息を吐きました。
「ああやって、今、笑えるということは、きっと彼女の芯はとても強いのでしょう。」
「小夜も今は復讐を忘れて嬉しそうにしてる。」
「ええ、とても、良い事です。さあ、あの子達が帰ってくる前に、焚き火の準備をしましょう。」
頑張っているようですよ、と遠くで初めての芋掘りに苦戦するAを見て再び江雪は穏やかな笑みを浮かべました。
漆。あたし、焼き芋は初めてなんですっ！！→←伍。あたし、保護者はいりませんけどっ！？
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菱神 昂(プロフ) - 特にリクエストはいただかなかったので、祭り会場は小ネタ置き場に改造いたします。 (2015年5月1日 20時) (
レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - 御礼祭リクエスト受付は本日21時からです。リクエストは必ずお知らせを熟読された上でお願いします。ある意味キーワードの代わりとなりますのでよろしくお願いいたします。著者。 (2015年4月30日 14時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - (3k猫*´∀`*){よきかな〜♪さん» コメントありがとうございます！この章から漸く本線が始まるなという感じです。今から更に盛り上がる筈ですのでこれからも椿切と本作をよろしくお願い致します！ (2015年4月9日 23時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
(3k猫*´∀`*){よきかな〜♪ - お〜！だんだん話が盛り上がってきましたね！更新頑張ってください！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: fdc932d927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菱神 昂 | 作成日時：2015年3月6日 23時
