終幕。案件00。監督者の来訪。 ページ49
Aという名前にビクリと肩を揺らす一同に管理官の女、宮司Aは怪訝な顔をした。
「……なにか気になることでも？」
「いいや、続けてくれ。」
「……いいのか、三日月？」
「はて？なんのことだ、鶴丸？」
「なにって、お前……」
「今はこの本丸のことだ。」
釈然としない顔の鶴丸国永だが、三日月宗近の有無を言わせぬ声色にすまんと口を引き結んだ。
「では改めて自己紹介させてもらおう、審神者管理局監査部保護観察課に所属する管理官の宮司Aと言う。君らの主の無罪放免か刀剣男士の処遇が決まるまでの間、ここの監督者として居ることになる。周りの六人は私の補佐役として連れて来ている、どうぞよろしく。」
頭を下げる宮司Aに続き管理官補佐の前田藤四郎と平野藤四郎が頭を下げる。
少し後ろに控えた同じ管理官補佐の蜻蛉切と御手杵、堀川国広と鯰尾藤四郎は坐すこともせず浅く礼をして本丸の刀剣男士達を見下ろしていた。
その威圧感に短刀たちはオドオドと礼を返す、その中で小夜左文字だけはギッと宮司Aを睨みつけることを止めなかった。
「小夜、今は耐え忍ぶ時です。」
江雪左文字の囁きにぐっと唇を噛み俯くと心配そうに宗三左文字が小夜左文字の背を静かに宥める。
「……急に来た人間が監督者になるというのは気持ちが良くないことではあると思うが……何があっても悔いの無いよう過ごすようにしてほしい。つまりいつも通り過ごしてくれということだ、勿論その間私を害する事はしないでくれよ？君らの今後に響くのでな。」
「もしも僕らの主さんに手を出したら、僕らには防衛する義務があるからね？」
一見人好きのする笑みのようだが堀川の目は全くもって冷え切っていた。
「とまぁ、堅苦しい話は一旦ここいらで句切ろう。ここは禁煙か？出来れば煙草が吸いたいんだが……」
「……ご自由に、灰皿をお持ちします。」
「いや、いい。灰皿なら持ってる。」
納得はしてい無いものの一旦は主の客人としてもてなそうと決めたへし切長谷部が席を立とうとするのを制止して吸煙機能の付いた旧式の携帯灰皿を取り出して唇に挟んだ煙草に火を灯すと深く息を吐く。
「あと、私に敬意は不要だ。管理官と言えどもそんなに立派な人間になったつもりは無いからな。勿論こいつらにも。」
先程刀剣男士達に睨みをきかせていた四振りを見回して宮司Aはテーブルに肘を突いた。
辺りの殺気は未だ緩和せず。
第2章 因果の章 終幕
第3章 糸解の章 処理開始
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菱神 昂(プロフ) - 特にリクエストはいただかなかったので、祭り会場は小ネタ置き場に改造いたします。 (2015年5月1日 20時) (
レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - 御礼祭リクエスト受付は本日21時からです。リクエストは必ずお知らせを熟読された上でお願いします。ある意味キーワードの代わりとなりますのでよろしくお願いいたします。著者。 (2015年4月30日 14時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - (3k猫*´∀`*){よきかな〜♪さん» コメントありがとうございます！この章から漸く本線が始まるなという感じです。今から更に盛り上がる筈ですのでこれからも椿切と本作をよろしくお願い致します！ (2015年4月9日 23時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
(3k猫*´∀`*){よきかな〜♪ - お〜！だんだん話が盛り上がってきましたね！更新頑張ってください！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: fdc932d927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菱神 昂 | 作成日時：2015年3月6日 23時
