第三幕。彼女と演練。 ページ36
『小さいからって嘗めてると痛い目見るわよ？』
画面の向こうでAがにぃっと好戦的に笑います。
今回の演練はAを隊長とし、三日月、江雪、同田貫、加州、安定の六人で部隊を組み、馬も刀装も装備しない決まりになっていました。
相手も条件は同じ、甲高い鋼の音が演練場に次々と打ち鳴らされます。遥香はその様子をあらゆる角度からモニターで確認し、表示されるデータを興味深く端末に記録していきました。
「索敵の数値は高い、打撃と衝力については三日月宗近と同等、又はそれ以上、かしら。代わりに統率、隠蔽といった数値は低いみたいだけど、小さいからか身のこなしが軽い？いえ、動きに無駄がない？機動力が高いだけではああはいかない筈……実に興味深いですわ。」
審神者は何も言わず遥香の隣で食い入るように画面を見つめていました。
やがて戦闘が終わり、数値化された画面には誉の一文字がAのバイタルアイコンの側に表示されます。
審神者が労いの言葉を通信機に語りかけると、Aは照れたように笑みを浮かべました。
『褒められるのはやっぱり嬉しいな。』
いつもこんな顔で自分の声に応えていてくれたのかと審神者が感動してモニターを見せてくれていた遥香にお礼の言葉を述べました。
出陣中は音声とバイタルしかわからない刀剣達の戦う姿は審神者にとって貴重な映像です。
「まあ、そんなに喜んで頂けるならこの録画データのメモリー、お貸しして差し上げますわ。Aちゃんをお貸しして頂くんですもの、私が帰る前に返していただければ問題ありませんの。」
審神者は再び遥香にお礼を述べ早速自分の端末にデータを移動させるべく席を立ち、残された遥香はにっこりと微笑みました。
「ただいま帰還しました！主様、どうだった？ちゃんとあたし戦えてたでしょ！」
出迎えた審神者にびしりとAは敬礼し、どうだ！とばかりのドヤ顔を見せました。審神者はA頭をいつも以上にぐりぐりと撫で再び労をねぎらって遥香の元へと手を引きました。
「お疲れ様でした、刀の性能だけじゃなく貴女自身の経験があの太刀筋をつくっているのでしょうね。」
とても立派に戦われていましたわと遥香に褒められAは頬を染めてはにかみます。
「ありがとうございます遥香さん、お褒め頂き光栄です。」
「もう、やはり他人行儀ですわね。」
怒らないから、子供らしくなさいなという遥香にAは黙って頷くのでした。
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菱神 昂(プロフ) - 特にリクエストはいただかなかったので、祭り会場は小ネタ置き場に改造いたします。 (2015年5月1日 20時) (
レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - 御礼祭リクエスト受付は本日21時からです。リクエストは必ずお知らせを熟読された上でお願いします。ある意味キーワードの代わりとなりますのでよろしくお願いいたします。著者。 (2015年4月30日 14時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - (3k猫*´∀`*){よきかな〜♪さん» コメントありがとうございます！この章から漸く本線が始まるなという感じです。今から更に盛り上がる筈ですのでこれからも椿切と本作をよろしくお願い致します！ (2015年4月9日 23時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
(3k猫*´∀`*){よきかな〜♪ - お〜！だんだん話が盛り上がってきましたね！更新頑張ってください！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: fdc932d927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菱神 昂 | 作成日時：2015年3月6日 23時
