第一幕。彼女の出張について。 ページ34
Aが本丸にやってきて早くも一月以上が流れました。
演練で刀剣男士の中にAが混じって戦う様は何かと話題になり沢山の審神者がAを一目見ようと演練の申し込みは倍以上に増え、その所為でめきめきとAたちは練度を上げていきました。
そんなある日の出来事でした。
「演練の視察？そんなんありなのか？」
「ありがとう獅子王兄ちゃん！」
獅子王が朝食の出し巻き卵をAの皿に移してやりながら長谷部の言葉をおうむ返ししました。
「今回はAの調査の為らしい、状況によって変わるかもしれんが、後日Aは一時的に審神者管理局預かりになるそうだ。」
「へ？管理局預かり？！」
口一杯に出汁巻きを頬張っていたAが悲鳴に近い声をあげました。
「といっても最低一週間程度最高でも一ヶ月、歴史資料の整合性やA自体の造りについての調査の為だ。別に帰ってこれない訳じゃないから安心しろ。」
淡々と書類に目を通しながら喋る長谷部ですが、少し眉間に皺がよっていました。彼もAのことは少し気に掛けているらしく、今回の件には思うところがあるようです。
「一週間かぁ…畑仕事はお休みかぁ。」
「畑仕事どころか、一週間は管理官の本丸で過ごす事になるそうだ。」
「え！？」
今度は小夜の箸から里芋が転がり落ちました。
「ええ！？Aその間帰ってこないのかよ！！」
「……管理局からの指示だ、仕方ないだろう？」
ブーイングを飛ばす加州と安定にひらひらと書類を見せつけながら嫌そうに長谷部は二人を睨みつけました。
「……仕方ないのはわかるけど、お泊まりってのがねぇー？」
もぐもぐと出汁巻きを再び口に運び、Aはごちそうさまと手を合わせました。
「まぁまぁ、帰ってきたらAちゃんの好きな光忠特製のショートケーキ作ってあげるから、ね？」
Aの頭にぽんと手を置き、光忠は微笑みます。Aは楽しみにしてるとにこっと笑って荷物まとめてくる！と逃げるように大広間をあとにするのでした。
「妙、ですね。」
「お前さんもそう思うか？江雪。」
江雪が三日月に耳打ちし、三日月は箸を置きました。
「今日の演練は管理官殿らしいな。名前は、何だったかな？高塚、と言ったか……」
「タカツカ、ですか……偶然でしょうか？」
いえ、恐らく気のせいでしょう。
何事も、なければ良いのですが……
江雪はじっとAが立ち去った後を見つめ、静かに目を伏せました。
第二幕。彼女と美人管理官。→←次章の前。彼女と最近の夢見事情。後
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菱神 昂(プロフ) - 特にリクエストはいただかなかったので、祭り会場は小ネタ置き場に改造いたします。 (2015年5月1日 20時) (
レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - 御礼祭リクエスト受付は本日21時からです。リクエストは必ずお知らせを熟読された上でお願いします。ある意味キーワードの代わりとなりますのでよろしくお願いいたします。著者。 (2015年4月30日 14時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - (3k猫*´∀`*){よきかな〜♪さん» コメントありがとうございます！この章から漸く本線が始まるなという感じです。今から更に盛り上がる筈ですのでこれからも椿切と本作をよろしくお願い致します！ (2015年4月9日 23時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
(3k猫*´∀`*){よきかな〜♪ - お〜！だんだん話が盛り上がってきましたね！更新頑張ってください！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: fdc932d927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菱神 昂 | 作成日時：2015年3月6日 23時
