春の幕内の弐。第一部隊と雨。後 ページ31
朗らかに笑う三日月ですが、鶴丸には何故か犯罪の片鱗を感じるのでした。
「第一三日月よ、Aにはもうお前の気持ちは伝えたのか？」
「うん？俺の気持ちならいつも伝えているぞ？」
あっけらかんと言い放つ三日月に鶴丸は予想外だったと目を丸くしました。
「A、A。」
「どうしたの三日月？フルーツ餅分けて欲しいの？」
「おお、くれるのなら嬉しいものだ。それと別でな、俺はAが好きだ。」
にこにこと笑う三日月の突然の告白にとうとう言っちまった！と同田貫と鶴丸はぎょっとAの顔を見ました。
「あら、ありがとう。あたしも三日月のことは好きよ？」
さらりと顔色一つ変えずに返したAに今度はあんぐりと口が塞がりませんでした。
「な？」
「いや、な？じゃなくて……あー…面倒だ…A、お前三日月と恋仲になりたいと思うか？」
「濃い仲？」
「恋仲、男女の恋愛って奴だよ、夫婦になりたいかってこと！」
こてんと首を傾げるAに鶴丸はゲンナリと返しました。
「恋仲かー……考えたことなかったなぁ……というよりそういうのはよくわかんないんだよね。」
あれー？この質問にも顔色変えないのかー？
鶴丸は更に頭を抱えました。
「三日月よ、お前さんきっと男として見られてないようにしか俺には見えないんだが？」
「無理無理、俺も安定も二人に聞いてみたけどいっつもこんな感じだし？お互い一方通行みたいな？」
「そうそう、Aちゃんコレばっかりは疎いみたいで、男女の色の話にも眉一つ動かないという徹底ぶりで……」
「だって、戦の前に花街で女の人を買うなんてどの主様もやってたことだから……今更ねえ？」
この子思ってたよりも耳年増だったのね…鶴丸はがっくりと肩を落としました、いつもは無反応の同田貫が今回ばかりはその肩を叩きます。
「解らなくともAは俺の側にあればそれでいいさ。」
後ろからAを抱きしめて三日月が首筋に顔を埋めました、Aは擽ったそうに身動ぎするものの嫌がる素振りはありません。
「あ、見て！虹が出てる！！」
窓の外を見てAが空を指差しました。
気がつけば雨は止んでいて、外にはからりとした青空が広がり、大きな虹がかかっていました。
「ところで、男女の情愛を交わすのにえーぶいなるものを見ると参考になると聞いたのだが、鶴丸持っておらんか？」
「本当にお前達向いてる方向がバラバラだよな！？」
空は晴れましたがこちらの前途は多難のようです。
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菱神 昂(プロフ) - 特にリクエストはいただかなかったので、祭り会場は小ネタ置き場に改造いたします。 (2015年5月1日 20時) (
レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - 御礼祭リクエスト受付は本日21時からです。リクエストは必ずお知らせを熟読された上でお願いします。ある意味キーワードの代わりとなりますのでよろしくお願いいたします。著者。 (2015年4月30日 14時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - (3k猫*´∀`*){よきかな〜♪さん» コメントありがとうございます！この章から漸く本線が始まるなという感じです。今から更に盛り上がる筈ですのでこれからも椿切と本作をよろしくお願い致します！ (2015年4月9日 23時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
(3k猫*´∀`*){よきかな〜♪ - お〜！だんだん話が盛り上がってきましたね！更新頑張ってください！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: fdc932d927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菱神 昂 | 作成日時：2015年3月6日 23時
