春の幕内の弐。第一部隊と雨。中 ページ30
これ以上ない程丁寧にAの髪を弄り回す安定とAに髪を拭いてもらい髪まで梳いてもらっている加州。
双方とも今はご機嫌でAはまあいいかと加州の髪を再び弄り始めました。
「しっかしまあ、よく降ること。天然の雨っていうのはこんな感じだったかしらね？」
「？本丸でも雨は降るじゃない。」
「あれは気象管理装置にあらかじめ指定されている雨だから、天然物とは呼べないのよね。」
雨足も降る時間も管理された人工雨は数世紀前に確立された今では当たり前の技術でした。
「ちびはちっせぇ割に物事はよく知ってるよな。」
「まぁ、みんなと違って割と最近まで個人所蔵だったし話し相手もいたから、周りの事はよく見聞きしてたのよ。」
刀相手に奇特な人間も居たもんだと同田貫はごろりと横になりました。
「牛車から馬車になり、馬車から馬が外れて、最後に車から車輪が外れた。人間の向上心にはいつも驚かされるわ。」
良い意味でも、悪い意味でも。
「はい、清光できたわよ。安定もホントはもう終わってるんでしょ？」
「ね、ね、A、俺可愛くなった？」
「Aちゃんがやって変になるわけ無いだろ不細工。」
「安定、お前ってほんとやな奴だよな！？いっぺん死ぬか？」
「お前こそいっぺん首落ちて死ねよ。」
「「やんのかオラ？」」
メンチを切り合う二人を一旦無視してAは風呂敷の上からフルーツ餅を三つ取り、抜刀寸前の二人の袖をちょいちょいと引きました。
「ねえねえ二人共、フルーツ餅どれにする？」
「俺サクランボ」
「僕ラムネ」
「あたし青りんごだから少しづつ交換しよ。」
「「いいよ」」
驚くべきは二人の切り替えの速さか、はたまたAの扱いの上手さか……
鶴丸は手元の水飴を練り練り周りの面子を面白おかしく観察していました。
「三日月はいいのかい？」
鶴丸は遠目からAたちを眺める三日月に気付き声を掛けました。
「何がだ？」
「何がって、あいつらAにやけに懐いてるだろ？」
Aに対しては異様な執着を見せる三日月があの二人には何もしないことに以前から鶴丸は疑問に思っていました。
「なんだ、そういうことか。何、心配などしてはいないよ、嫁が小犬二匹にじゃれつかれて怒るような夫はいないだろう？」
「は？子犬？嫁？」
「幼妻のほうが正しいか？」
「三日月……お前とA、まだ恋仲ですらなかったのは俺の気のせいか？」
「大した問題ではないと思うが？」
「いや問題だろ。」
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菱神 昂(プロフ) - 特にリクエストはいただかなかったので、祭り会場は小ネタ置き場に改造いたします。 (2015年5月1日 20時) (
レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - 御礼祭リクエスト受付は本日21時からです。リクエストは必ずお知らせを熟読された上でお願いします。ある意味キーワードの代わりとなりますのでよろしくお願いいたします。著者。 (2015年4月30日 14時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - (3k猫*´∀`*){よきかな〜♪さん» コメントありがとうございます！この章から漸く本線が始まるなという感じです。今から更に盛り上がる筈ですのでこれからも椿切と本作をよろしくお願い致します！ (2015年4月9日 23時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
(3k猫*´∀`*){よきかな〜♪ - お〜！だんだん話が盛り上がってきましたね！更新頑張ってください！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: fdc932d927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菱神 昂 | 作成日時：2015年3月6日 23時
