弐拾。あたし、愛ってよくわからないんですけどっ！？ ページ22
「ほ、本当に、ごめんね……」
「いいのいいの！誰も居なかったんだから！」
謝り倒す五虎退を虎たちと宥め、二人は大広間へと歩いていました。
「あ、Aちゃんいたいた！」
「……あ。」
「か、かかか、加州さんっ！！……と安定さん。」
「あら？」
前から近付いてきたのは安定と加州でした。加州がぐいと前に進み出ると五虎退は昨日のこともあってオロオロしながらも加州の前に両手を広げて立ちはだかりました。
「か、加州さん、ぼ、ぼ、僕達に何かっ！？」
「……はあ、別になーんにもする気ないって……」
「お前、昨日あれだけ五虎退くんのこと脅かしたんだから、怖がられて当然だろ？」
半分涙目でまるでこちらを威嚇するように睨む五虎退に加州は自分の蒔いた種なんだけど、なんか堪えると肩を落としました。
「それより、この莫迦がごめんね？」
「莫迦って安定てめぇ……まあ、その、傷……悪かったよ。」
「あたしは大丈夫よ、こんな形でも頑丈だし。それより、風邪はひかなかった？」
Aはなんのことはないと肩をひょいと竦めて見せました。
「お陰さまでねー、ってわけでハイこれ。」
「？」
「開けてみたら分かるから。開けちゃって？」
加州が差し出したのは二つの巾着袋でした。
二人はひとつづつ手に取り開けてみると、そこには色とりどりの星、金平糖が入っていました。
「うわぁ！綺麗だなぁ…！」
「金平糖がこんなに！貰っていいの？」
「お詫びとお礼を兼ねたプレゼントってね！」
「加州のヤツが迷惑かけちゃったからね？」
「あ、ありがとう！ほら、虎くんたち、すごく綺麗だよ！」
五虎退は嬉しそうに巾着の中を足元の虎たちにも見てるようしゃがみました。
「ありがとう。あたし、椿切A。改めてよろしくね。」
「僕は大和守安定。これからよろしく、Aちゃん。」
「俺は川の下の子加州清光。助けたからには、ちゃんと俺たちのこと、愛してよ？」
「？愛？あたしなんかのでいいの？」
きょとり、不思議そうにAが首を傾げました。
「僕達は誰よりAに愛されたいんだ。」
「沖田以外で初めて俺達を愛してくれたのは、Aが初めてだったからね。」
「愛か〜…あたし、愛についてはよくわかんないけど……それでもいいの？」
「僕達のことを大切に思ってほしいってことだよ。」
安定の一言に成る程とAは大きく頷きました。
その様子を遠くから見守っていた三日月はやれやれ、前途多難なものだと一人溜息を吐くのでした。
拾漆の裏、弐拾の前。安定と加州の間にて。→←拾玖。あたし、大人の余裕で頑張りますからっ！！
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菱神 昂(プロフ) - 特にリクエストはいただかなかったので、祭り会場は小ネタ置き場に改造いたします。 (2015年5月1日 20時) (
レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - 御礼祭リクエスト受付は本日21時からです。リクエストは必ずお知らせを熟読された上でお願いします。ある意味キーワードの代わりとなりますのでよろしくお願いいたします。著者。 (2015年4月30日 14時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - (3k猫*´∀`*){よきかな〜♪さん» コメントありがとうございます！この章から漸く本線が始まるなという感じです。今から更に盛り上がる筈ですのでこれからも椿切と本作をよろしくお願い致します！ (2015年4月9日 23時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
(3k猫*´∀`*){よきかな〜♪ - お〜！だんだん話が盛り上がってきましたね！更新頑張ってください！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: fdc932d927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菱神 昂 | 作成日時：2015年3月6日 23時
