参。あたし、自分で歩けるんだけど？ ページ3
「御馳走様でした！」
山のようにあった団子を平らげて、Aは三日月の膝の上で手を合わせ、ぺこっと頭を下げました。
「前の主様方が甘味を美味しそうに食べてたのは側で見てたけど、まさかこんなに美味しいものだったなんて！」
お茶も甘味も長い長い生涯の中で初めてのもの。
先程まで怒りはなんのその、Aは初めて食べた甘味に幸せそうに言いました。
「最初の方は頭にきてて味があまりよくわからなかったのよね、お茶も甘味もこんなに美味しいのに苛々なんてしとくんじゃなかったわ。」
なんだか損をしてしまった気分としょんぼりしたAにくすりと三日月は笑って頭を撫でました。
「何、ここに居れば出陣から帰る度に主が何かしら菓子をくれるさ。」
「！出陣したら、くれるの！？」
「団子もだが、煎餅や羊羹や舶来品のかすてらやほっとけーきなるものも俺は食うた。」
それはそれは美味いものだったという三日月にAの目はキラキラと輝きました。
「俸禄が出るってこんなにやる気が出るものなのね！！」
「ははは、では俺はAが俺と同じ部隊に入れるよう、主に頼むとしよう。Aの事で礼を言わねば為らんこともあるしなぁ。」
にっこりと三日月はイイ笑顔を浮かべ、Aを抱き上げ、立ち上がりました。
「自分で歩けるのに、如何して抱き上げるかな？あたし、自分で歩けるんだけど？」
むっと頬を膨らますAですが、歩く速さは俺の方が速いと言われて確かにそうだと思いAは何となく腑には落ちないものの抗議するのを止めました。
「あ、お湯呑みとお皿、洗わなきゃ！」
「後で持っていけばいいさ。と獅子王、丁度良い！そこの皿を台所に持って行ってくれないか？」
今日の獅子王は廊下掃除の当番らしく、ジャージ姿でせっせと窓を拭いていました。
「お！三日月のじっちゃんじゃねーか、ってあれ？そいつ見かけない顔だな？」
「にゅーふぇいす、というヤツだ。俺の昔馴染みでな、今から主の所へ行かねばならんでな、すまんが挨拶は後程。」
「三日月、挨拶くらいは」
「おう、皿は任せとけ！オレもたった今、厚に用事ができたし！」
獅子王は雑巾をぽいっとバケツに投げ込んで、皿と湯呑みの乗ったお盆を持ちそそくさと早足で歩いて行きました。
「あーあ、行っちゃった。」
「さあ、俺たちも行くぞ。」
肆。あたし、行灯袴なんですけどっ！？→←弐。あたし、子供じゃないんですけどっ！？
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菱神 昂(プロフ) - 特にリクエストはいただかなかったので、祭り会場は小ネタ置き場に改造いたします。 (2015年5月1日 20時) (
レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - 御礼祭リクエスト受付は本日21時からです。リクエストは必ずお知らせを熟読された上でお願いします。ある意味キーワードの代わりとなりますのでよろしくお願いいたします。著者。 (2015年4月30日 14時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - (3k猫*´∀`*){よきかな〜♪さん» コメントありがとうございます！この章から漸く本線が始まるなという感じです。今から更に盛り上がる筈ですのでこれからも椿切と本作をよろしくお願い致します！ (2015年4月9日 23時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
(3k猫*´∀`*){よきかな〜♪ - お〜！だんだん話が盛り上がってきましたね！更新頑張ってください！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: fdc932d927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菱神 昂 | 作成日時：2015年3月6日 23時
