拾捌。あたし、光忠が何者か気になるんですけどっ！？ ページ20
薬研は五虎退がAの包帯を替える間、光忠が用意してくれているという着替えを取りに厨房へとやってきました。
「よぉ、光忠兄貴。いるかい？」
「やあ薬研君、待ってたよ。」
爽やかな笑顔で光忠がエプロンを外し、奥の方から大切そうに風呂敷包みを抱えて来ました。
「女の子の服って聞いたからついつい張り切っちゃったよ。やっぱり女の子はお洒落に飾ってあげなきゃ！」
ぐっと握り拳を作って力説する光忠に、薬研は少しだけ嫌な予感がするのでした。
「やっほ〜！綺麗な次郎ちゃん、登☆場！」
「ねえねえ薬研！Aちゃん、目を覚ましたんでしょ！女の子のお洒落なら僕らにお任せ！」
「乱くん、はいこれ、こっちは五虎退くんと薬研くんの着替えね！」
「はぁ！？俺っちも！？」
「はーい！じゃあ朝ご飯の時、楽しみにしててね！」
「ささ、早く行こう！酔いが覚めちまうよ！」
次郎と乱の二人に引き摺られ、嬢ちゃん、すまねぇと薬研は心の中で謝罪しました。
「こっち向きに飾るのなんてどうかな？」
「おお、なるほどね！さっすが乱、センスあるじゃないか！あっはっはっは！」
兎耳の五虎退に、シルクハットの薬研、そしてAは青いワンピースに白いエプロンドレス。
「こ、こすぷれ……？」
あれよあれよと着替えさせられ、鏡の前に立たされたAは目を白黒させてされるがまま。
チェシャ猫は乱が、ハートの女王は次郎がやるようです。
服のタグには全て、燭台切光忠の銘が刺繍されていました。ご丁寧に洗濯タグと検針済のタグまで付いています。
「Aちゃん、可愛いなぁ〜！」
五虎退は慣れているようで、垂れ耳を時折手でどけながらAの姿を手放しで褒めています。
「やっぱり女の子の方が飾りがいがあるね！」
「僕たちの分もお願いして正解だったね！」
「……次郎姉さん、乱お姉ちゃん？」
「ほんっと可愛いなぁ！Aちゃん！」
「うんうん！やっぱり妹は違うねぇ！後でお酌してもーらお！」
「俺っちがうさ耳じゃなくて、ほんっとに良かったぜ……」
暴走気味の次郎と乱、隅でほっと胸を撫で下ろす薬研、無邪気に喜ぶ五虎退。
可愛い、確かに可愛いんだけどっ！！これで朝食に行くのか……とAはこっそりため息を吐きました。
「……しかし、一晩でこれを作り上げた台所奉行燭台切光忠、一体何者なのかしら……」
謎は深まるばかりでした。
拾玖。あたし、大人の余裕で頑張りますからっ！！→←拾漆。あたし、もう妹でいいやって思うんです……。
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菱神 昂(プロフ) - 特にリクエストはいただかなかったので、祭り会場は小ネタ置き場に改造いたします。 (2015年5月1日 20時) (
レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - 御礼祭リクエスト受付は本日21時からです。リクエストは必ずお知らせを熟読された上でお願いします。ある意味キーワードの代わりとなりますのでよろしくお願いいたします。著者。 (2015年4月30日 14時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - (3k猫*´∀`*){よきかな〜♪さん» コメントありがとうございます！この章から漸く本線が始まるなという感じです。今から更に盛り上がる筈ですのでこれからも椿切と本作をよろしくお願い致します！ (2015年4月9日 23時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
(3k猫*´∀`*){よきかな〜♪ - お〜！だんだん話が盛り上がってきましたね！更新頑張ってください！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: fdc932d927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菱神 昂 | 作成日時：2015年3月6日 23時
