拾参。あたし、クソガキらしいです……。 ページ14
ぱちりと、誰かの気配にAの目が覚めました。
起きてみれば三日月は側におらず、一人広い部屋にポツンと寝かされていました。
床の間には『安静第一』と書かれた掛け軸が掛かっており室内には消毒液のにおいが染み付いています、恐らくここが手入部屋なのだろうとAは一人合点していました。
「よぉ嬢ちゃん、目が覚めたかい？俺っちは薬研藤四郎。この本丸の手入部屋を任されてる。仲良くしようぜ？」
「そう、あたしは椿切A。今日主様に鍛刀されたばかりの太刀よ、Aって呼んでくれると嬉しいわ。」
「そうかい、Aは折角この本丸にやって来た妹分なんだからそう気張らなくてもいいさ。俺っちのことは薬研兄ちゃんとでも呼んでくれ。」
薬と白湯を手に持ってきた薬研は盆を枕元に置くとAの頭をぐりぐりと撫でて笑いました。
今日一日で子供じゃないと一々訂正するのが面倒だと悟ったAは大人しく頷きました。
それを見て満足そうに薬研は微笑み、痛み止めだとAに薬と白湯を手渡しました。
薬の痺れるような苦味に少しだけ涙目になりましたが白湯をぐいっと飲み干してAはなんとも無い振りをして見せました。
「よしよし、よく飲めたな。これは口直しだ。」
薬研はもう一度ぐりぐりと頭を撫でてから、Aの口に飴玉を放り込みました。
「ありがと、薬研兄ちゃん。」
はにかみながらモジモジとお礼を言うAにこりゃ三日月の爺さんも骨抜きになる訳だと薬研は嬉しそうに笑いました。
「うわわっ！まだ怪我してるんです！お、落ち着いて、下、さいっ！」
「加州！落ち着けって！」
「ウザいから、二人ともどいてくんない？」
「や、薬研兄さん！加州さんがっ！」
悲痛な五虎退の声に薬研は舌打ちして勢いよく後ろの襖を開き、ぎろりと加州と安定を睨みつけました。
「新入りさんよ、命の恩人が治療中だってのに…ちぃとばかり騒ぎすぎじゃあねぇかい？」
あまり感心しねぇなと不機嫌さを隠すこともなく薬研は、二人、特に加州を睨んでいます。オロオロする五虎退に代わって小さな白虎達もここは通さぬと言うように手入部屋の前でグルルと牙を見せています。
「べっつにー？騒がしくするつもりは無いよ、俺はそこのお節介なクソガキに文句言いに来ただけだし？」
「っ加州清光！お前、いい加減に「そう、ごめんね。私の都合を押し付けてしまって…」
他の方の迷惑になるから、話は部屋の中でしましょうとAは二人を招き入れました。
拾肆。あたし、勝手なことしましたから……→←拾弐。あたし、なんだか安心するんですっ！！
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菱神 昂(プロフ) - 特にリクエストはいただかなかったので、祭り会場は小ネタ置き場に改造いたします。 (2015年5月1日 20時) (
レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - 御礼祭リクエスト受付は本日21時からです。リクエストは必ずお知らせを熟読された上でお願いします。ある意味キーワードの代わりとなりますのでよろしくお願いいたします。著者。 (2015年4月30日 14時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
菱神 昂(プロフ) - (3k猫*´∀`*){よきかな〜♪さん» コメントありがとうございます！この章から漸く本線が始まるなという感じです。今から更に盛り上がる筈ですのでこれからも椿切と本作をよろしくお願い致します！ (2015年4月9日 23時) (レス) id: 4fb92bb402 (このIDを非表示/違反報告)
(3k猫*´∀`*){よきかな〜♪ - お〜！だんだん話が盛り上がってきましたね！更新頑張ってください！ (2015年4月9日 19時) (レス) id: fdc932d927 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：菱神 昂 | 作成日時：2015年3月6日 23時
