パンタシア Ⅲ (ページ6)

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84話ページ6

｢私の独り言にはいってくるなんて｣

冷たい物言いだが、表情は柔らかく優しいAに、雪村も笑顔になり隣に並ぶ。

雪村｢きみのシュート、凄かった｣

｢本当に5分しか出させてもらえなかったけれどね｣

雪村｢どうして5分だけだったんだ？｣

俯きながら言うAに不思議そうな視線を向ける雪村に、慌てて顔を上げ、なんともないように言った。

｢あれよ、持病ってやつ｣

それ以上聞かれたくないというように、目を見開き驚いている雪村に背を向けて歩き出すA。

雪村｢今度、会いに行くから、その時教えてよ｣

後ろから少し大きめの声で言う雪村に振り返らず手を緩く振り返事をしたAたちを切なげに見つめている人物がいた。

剣城｢.....｣

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夕日が照りつける鉄塔広場に２つの影が並んだ。

鬼道｢どうした、わざわざ呼び出して｣

円堂｢頼みがあるんだ。
俺は雷門の監督を降りる。
鬼道が代わりに雷門の監督を引き受けてくれ｣

真剣な顔をした円堂に冗談だということではないことを察した鬼道は戸惑う。

鬼道｢何を言っているんだ、円堂｣

円堂｢フィフスセクターの本当の目的はサッカーを管理することだけではないかもしれない。
まだ、はっきりしたわけじゃない、調べてみたいんだ。
今、雷門を任せられるのはお前しかいない。
頼む、鬼道｣

鬼道「お前...」

鬼道は円堂の顔を見つめ、迷いながらも返事を出した。