ガラスの靴を。 (ページ34)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:60,459 hit

#33 ページ34

嘘だ嘘だあり得ない。

上を向いても
下を向いても

涙が出てくる
止まらない

「ほんっと、バカみたい」

『そんなバカバカゆーてるとホンマにバカになんで』

聞き慣れた声

顔を上げると

「あっ、えーっと、、」

『えっ君、俺の事知らんの！？天下の数原龍友様を知らんの！？』

「あー、わかりますわかります。」

『なんやねん、しけた面して。男の浮気現場でも見たんか？』

「初対面ですよね、お客様。いささか、失礼かと。当たってますけど。」

『敬語やめ。お客様呼ぶんも勝手悪いわ、龍友な』

「会う機会がありましたら。」

『6002で待ってるわ。その浮気男の話聞かせてや』

「えっ、そんな！」

『俺も退屈してんねん、ホテルの人やろー？お客さん退屈させたらアカンやろ～』

「わかりました！失礼します！」

あのグループは
ナンパが好きなの！？
失礼な人しかいないの！？

でも

裕太くんを忘れるのには
丁度いいかもなんて
最低な考えの自分がいた。