二十七話 ページ30
「‥‥復縁か？これ」
未だに首に顔を埋めている冴が少しだけ不服そうに言った。
「んー、どうなんだろう。微妙な部分ではあるけどね」
「俺が一方的に恋人だって思ってただけみてぇだからノーカンだ。お前が俺のこと好きだってわかった以上、お前は俺と付き合う以外の選択肢はねぇよ」
「ええー、傲慢だなぁ」
「文句あんのか、俺に惚れてるくせに」
「冴もかなり前から私にメロメロだったようだけどー？」
売り言葉に買い言葉だ。それでもこの会話が楽しくAは心から愛おしそうに笑う。
「俺はお前が1番近くにいないのは嫌だぜ。絶対だ」
あからさまな冴の態度にAは目を見開いて、少しだけ困ったように笑う。
「その我儘に付き合うけど、私にも冴のこと面倒見させてよ。約束」
はい、とAが小指を冴に差し出す。
「前は、冴に面倒みて貰って色々大変だったからね。冴はサッカー以外はポンコツだから、今後は私も冴の面倒を見るよ」
何か言いたそうに口を開き掛けた冴だが、Aの、ね？返事？とここぞとばかりに念押しされて小指に指を絡ませることしかできなかった。好きな女にはどうも弱い男である。
ふはっと笑ったAの腰にまた冴の腕が回る。
「もう一度聞くが‥‥凛とはなんでもねぇんだな？」
言われて一瞬何を言われてるのかわからなかったが、拗ねているような冴の表情を見て軽く笑う。
「そんなに気になる？」
「弟に乗り換えでもしてみろ。流石の俺でも泣くぞ」
「ほんとに、凛くんとは何もないよ。色々と手伝ってもらっただけ」
冴は心配性だなぁと今度はAの方から冴の背中に腕を回す。
よかった、とけっこう素な安堵のため息が聞こえる。
「ほんと、大事にするから。マジで。多分、俺家にいない時のほうが多いけど、でもAには出来るだけ待ってて欲しい。てか、お前が待っててくれないと嫌だぜ俺は」
じとりとこちらを見る冴の瞳の中には熱情が入っていて、途端に顔に熱が集中した。
「‥‥待つよ。いくらでも」
小さく溢せば、冴はすごく嬉しそうに笑った。
その顔をみたAがにやりと口の端を持ち上げる。
「私のこと、また逃げ出さないようにしっかり世話しなよ？ダーリン」
「あんまり男を舐めんじゃねぇぞ。5年間我慢した分しっかり俺に甘やかされとけ、俺だけ見とけよA」
獰猛な笑みを浮かべた恋人は、噛み付くように口づけた。
あ、喰われる。
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なぎねぎ - すごくおもしろかったです。女の子の性格がとても好きでした。 (1月12日 20時) (
レス) @page32 id: eca7262407 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - 完結おめでとうございます！題名からビックリし惹かれまして読み進めていったらこんなにも面白い作品とは思いませんでした！！ビックリ展開多かったですけどとても面白かったです！お疲れ様でした (2023年4月1日 6時) (レス) @page32 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
Joke(プロフ) - 完結おめでとうごさいます！このお話が出てきたときからのファンで、友達にも紹介するほど好きだったので完結してとても嬉しかったです！改めて完結おめでとうごさいます！ (2023年3月28日 1時) (レス) id: 61b77d541b (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉ずっと陰ながら応援させていただいてました！！！この作品滅茶苦茶好きです！改めておめでとうございます！ (2023年3月18日 11時) (レス) @page32 id: 12afbbff79 (このIDを非表示/違反報告)
ちわこ(プロフ) - ひやああああ面白いっ！！更新楽しみにしてます！！！ (2023年3月13日 23時) (レス) @page29 id: 743e31f7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゃじゃー麺 | 作成日時：2022年12月19日 16時
