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二話 ページ3

小さな小動物なら刺殺出来てしまいそうなほど、鋭いスカイブルーの瞳。
 肌がチリチリするような、そんな視線を投げる男は、まさに王者そのものだった。

 ゾッとした。目を合わせれば呑まれそうな、二度と戻れないような、彼がこちらに近付けば、触れられてしまえば、瞬間に肌が切れてしまいそうなくらい危険な感じがする。

 あの視線に、捕まりたくない。

 私はなるべく、彼と目を合わせないように横目で彼と見つめ合う。
 見れば見るほど美少年だ。イケメンとも言えるだろう。

 くそっ、しくじった。こんなイケメンに会えるんだったらメイクの一つでもしていればよかった。

 そもそも、こんな人目のない裏口に彼がいること自体が不自然で、日本の宝ともいえる彼が私と関わることなどあってはいけない。それに加えて男を一掃した女なんて。

 謝って離れようとなんとか口を動かそうとした瞬間。

 彼が数秒、私より早く口火を切った。


「良い蹴りだな」


 え、と腑抜けた声が漏れる。
 まさか褒められるとは思いもしなくてAはそらしてた目を彼に焦点を当てる。

「あ、えと‥」
「やっと見た」

 彼と一対一、そらすことなく目が合った。
 途端に恥ずかしくなった。
 近くで見ると思いのほか大きく、中々の長身だった。そして少し距離がある私をじろりと見やる。もちろん、私は緊張した。


「あの、すみません‥見てましたか?」

 
 しかたなく、私の方からも口火を切った。

「ああ、良い蹴りだと思うぞ。こっちが痛くなるくらいにな」

 ああ、この人は、どこまで私を恥ずかしくするんだろう。
 いてもたってもいられなくなり、恥ずかしさで燃え尽きてしまうかと思ったまま早口で捲し立てる。


「ほんとに、本当、すみません‥。お見苦しいものを見せました‥」


 恥ずかしさで乱雑になって頭を下げる。
 そのまま帰ろうとしたら、ガッと足がすくむ。
 Aのヒールの踵が道の間にはまり、ガコッ!と勢いよく折れた。
 身体は重力が流れる方へ、Aは勢いよく前へ倒れ込んだ。


 い゛っ!
 

 女性らしくない。そんな声がシンっ‥とあたりを木霊する。

 Aは声には出さなかったが、絶叫した。

 前向きで倒れてしまったため、糸師冴の顔が見れない。
 背中に刺さるような視線を感じて、Aの身体を恥ずかしさが支配した。

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なぎねぎ - すごくおもしろかったです。女の子の性格がとても好きでした。 (1月12日 20時) (レス) @page32 id: eca7262407 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無%(プロフ) - 完結おめでとうございます!題名からビックリし惹かれまして読み進めていったらこんなにも面白い作品とは思いませんでした!!ビックリ展開多かったですけどとても面白かったです!お疲れ様でした (2023年4月1日 6時) (レス) @page32 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
Joke(プロフ) - 完結おめでとうごさいます!このお話が出てきたときからのファンで、友達にも紹介するほど好きだったので完結してとても嬉しかったです!改めて完結おめでとうごさいます! (2023年3月28日 1時) (レス) id: 61b77d541b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉ずっと陰ながら応援させていただいてました!!!この作品滅茶苦茶好きです!改めておめでとうございます! (2023年3月18日 11時) (レス) @page32 id: 12afbbff79 (このIDを非表示/違反報告)
ちわこ(プロフ) - ひやああああ面白いっ!!更新楽しみにしてます!!! (2023年3月13日 23時) (レス) @page29 id: 743e31f7de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じゃじゃー麺 | 作成日時:2022年12月19日 16時

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