十八話 ページ20
その後はもう怒涛の展開で、凛の家に無理やり投げ込まれたかと思ったら熱々の風呂に娘と投げ捨てられ、のぼせてしまうあたりで出ることを許されれば、翡翠はカタが外れたように疲れたのか眠りについた。
「‥‥まさか、兄貴みたいな事故物件に子供が出来るなんてな。さすがに驚いた」
「こらこら、事故物件ってなによ。否定はしないけど」
「てか、あれほどの男を捕まえるお前単純に異常なんだよ。色仕掛けでもしたのか」
「ちょっと、子供が近くにいるのにそんな野暮なこと聞かないでよ‥。私はただの一般人で中身もフツーよ。フツー」
「おい馬鹿か。俺のお兄ちゃんだぞ。あんな玉引っ掛けてる時点で中身もフツーじゃねぇんだお前は」
凛はまたも大きなため息を吐く。
「とりあえず、お前がクソ鈍感でアホなのはわかった。初めて兄貴に同情したぜ」
ははっ、とAが苦情を漏らすと、凛がいじっていたスマホの画面をAに見せた。
画面一面に広がる記事には、冴と共に歩いている高身長の女性がにこやかに笑っているものである。
女性の方はどちらかと言えば恵まれている身体付きで相当な美人だった。
「兄貴の記事を調べりゃ、いつもこんな女連れて歩いてやがる。まぁ、ゴシップだとは思うがそれにしてもタチが悪い女共だぜ」
チッと不機嫌に舌打ちした凛に反してAは自分が思ったより動揺していることに気づいた。
彼の淡々とした言葉にAは多少なり後ろめたさと不安を覚えた。
あの人すごく美人だったな。
さすが超有名女優、私が隣に並んだら多分比べるまでもないほど目劣りするな。
ああ、でも冴は元来ああゆう素敵な女性と付き合うべきなのかも。
私が高望するような相手じゃないよね、普通。
Aの思考はどんどんマイナスの方へと向かっていくが、途中で必死に歯止めをかけた。
もう二度と。
彼に恋情なんか抱かないようにするため。
そう決めたから。
「‥‥大丈夫。もう冴とは区切れはついてるの‥。うん、大丈夫」
下を向きながらそう呟く彼女に、凛はまたもや口を挟もうかと思ったがすんでのところで口が止まる。
凛は長いまつ毛をふるりと上げて少し驚いたように息を呑んだ。
その時のAの表情を糸師凛は一生忘れる事はないのだろう。
冴が他の女優とのゴシップを聞いた途端、彼女の表情はものすごく、酷く、ひどく、
傷ついたような顔をした。
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なぎねぎ - すごくおもしろかったです。女の子の性格がとても好きでした。 (1月12日 20時) (
レス) @page32 id: eca7262407 (このIDを非表示/違反報告)
黒灰白有無％(プロフ) - 完結おめでとうございます！題名からビックリし惹かれまして読み進めていったらこんなにも面白い作品とは思いませんでした！！ビックリ展開多かったですけどとても面白かったです！お疲れ様でした (2023年4月1日 6時) (レス) @page32 id: 00e0ebd256 (このIDを非表示/違反報告)
Joke(プロフ) - 完結おめでとうごさいます！このお話が出てきたときからのファンで、友達にも紹介するほど好きだったので完結してとても嬉しかったです！改めて完結おめでとうごさいます！ (2023年3月28日 1時) (レス) id: 61b77d541b (このIDを非表示/違反報告)
虹(プロフ) - 完結おめでとうございます🎉ずっと陰ながら応援させていただいてました！！！この作品滅茶苦茶好きです！改めておめでとうございます！ (2023年3月18日 11時) (レス) @page32 id: 12afbbff79 (このIDを非表示/違反報告)
ちわこ(プロフ) - ひやああああ面白いっ！！更新楽しみにしてます！！！ (2023年3月13日 23時) (レス) @page29 id: 743e31f7de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゃじゃー麺 | 作成日時：2022年12月19日 16時
