ツイステ～王様のお気に入り～ (ページ2)

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『王子の機嫌を損なわないよう気をつけるように。
それさえ出来れば、メンシス家は王族との関係を永久に続く』

入学して一ヶ月が経った。
毎週のように実家から手紙が届き、必ず最後に父の字で家を繁栄させる為の文が長々と書かれてあった。

？「Aちゃーん、朝食、出来たっスよ！」

貴「あ、ありがとうございます」

手紙を急いでしまい、入口へと向かう。
ラギー先輩が扉を押さえてくれたことにお礼をすると「レディーファーストっスよ！」と笑った。

ラ「それより、さっき見てたのは昨日送られてきた手紙っスか？」

貴「はい、父から「くれぐれも迷惑をかけないように」と」

ラ「あー、まぁ、ご両親の考えは薄々分かる気が」

そう、ここサバナクロー寮の寮長は私の家も仕えている王族、キングスカラー家の第二王子なのだ。
入学初日、ここへ入寮し先輩達が出迎えてくれたその中にあの人がいた。
初対面であり私を見つめる視線に恐怖が生まれ咄嗟にできた行動は顔を逸らす事のみ、きっと私への第一印象は最悪に違いない。

貴「でも、寮の皆さんがいい人達ばかりなので安心しています」

ラ「そりゃぁ、Aちゃんはこのサバナクローに咲く一輪の花みたいなもんスからね！喧嘩っ早い連中でも大人しくなるんスよ！」

と、話しているうちに談話室に到着した。
相変わらず寮長は不機嫌な様子、遠くから同期の男子に呼ばれあの人を気にしつつもその方へと足を進めた。