第肆話 ページ5
結局、彼女は子供を手放す事を決めた。
泣き叫ぶ声、姿は愛おしいものと離れたくない事を語っていた、が、夜の世界で生きて行くには邪魔者扱いにされてしまう。
貴「母性って、本当にあるのね」
三「どうかされたんですか?」
貴「さっき終わった件の子。
前に見た時は、お金にしか興味が無かったのに好きな人の子供が出来た途端・・・・母親だった」
子を宿した女性の大半は母性が生まれ、今まで他に与えていた愛情をそれに与えるようになる。
子が生まれたら尚更愛情を与え、自分より幸せに、と思いながらパートナーと一緒に【家族】と言う絆が完成され、探せば何処にでもいる光景ができる。
三「・・・・姉さんの、その」
貴「私の母親?そうね・・・・私と言う人間を産み落とした女よ」
春千夜が車のロックを外し、後部座席に乗り掛けた時だった。
視界の隅から影が飛び出したのが見え、それに気付いた春千夜が銃を出そうと上着の中に手を入れたのが見え、咄嗟にその腕を押さえると。
「あ、あの、梵天の方ですか?」
貴「・・・・あなたは?」
「その・・・・ボスさんに会わせてください!」
彼女との出会いが、私の人生を狂わせる事になるとはこの時の私は思ってもいなかった。
このまま、彼の所に戻って今までと同じ何も変化のない時間を過ごすのだと・・・・。
終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←第参話
114人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:黒雀 | 作成日時:2021年9月4日 15時