忘れられた呪術師【呪術廻戦】 (ページ6)

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5話ページ6

貴「宿儺の器？」

夜、会社員が集まる居酒屋の一角にある個室でAと夏油が食事をしていた。
互いにお酒の酔いが回り始めた頃、夏油の口から話された言葉をそのまま返す。

夏「あぁ、Aも知ってると思うがこの国に宿儺の指・二十本が散りばめられている。
そのうちの一本がある少年の体内に取り込まれたんだ」

貴「でも、指って特級呪物だよね？普通の人間が取り込んだら人間の細胞組織とか破壊されるんじゃないの？」

夏「でも、その少年は適応した」

夏油の表情を見てAは目を見開いた。
彼の楽しそうな笑みはいつ振りだろうかと思い、焼き鳥の串を竹筒の中へと入れた。

貴「それで、何か考えがあるの？
その男の子をこっちに連れてくる、とか」

夏「それはこれからだ。
一気に済ませたらAだってつまらないだろ？」

Aは小さく笑った。
言葉には表されてないが、顔に「確かに」と書いてあるようにも見える。
お酒が半分しか入ってないコップを持ち互いの間に掲げた。

貴「なら、これからの楽しみを祝して」

夏「そうだな・・・・乾杯」

カチンっと音が鳴る。
その音はすぐに周りにいる客の声の渦に消え去り、二人の視線の先には新たな呪いが生まれてくる未来を見据えた。