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Seraph,15 ページ16

グレンに案内され入った部屋は人間だった時に使っていた私の部屋だ。
最後にこの部屋を出た当時のままだ。

貴「この剣」

グ「お前の黒鬼シリーズの剣だ。
何度も元に戻そうとしたがそいつ、拒み続けてその有様だ」

鞘もボロボロになっていた。
普通、吸血鬼は鬼呪のかかった武器に触れれば灰と化してしまう。
私は素手で触れ、鞘から剣を抜く。

グ「!、ば!」


貴『・・・・・』

目を開くと広い鏡のような地面と青空が広がっていた。
周りを見ると地面に刺さっている剣に寄りかかる者がいた。

?『とんでもない有様だね、君』

貴『・・・・久し振りね、阿弥陀。あなたも契約した当時より痩せこけてるね』

阿『何年放置させられたと思ってるんだ。しかも、排除すべき吸血鬼になってさ』

貴『私も吸血鬼になってもここに来れるだなんて。あなたが呼んだの?』

阿『懐かしい気配だったからね。ねぇ、僕に血を頂戴』

阿弥陀が傍に寄ると牙を光らせた。

貴『ごめんね、私も今は血が必要な体なの。
与えることはできない』

阿『じゃぁ、血を飲まなくてもいい体にしてあげようか』

貴『え?』

阿『簡単だよ。吸血鬼の血を5人分吸う。
そして、最後にAを吸血鬼にした奴のを吸う。もちろん、ここから』

阿弥陀は自分の首元を指差す。
そうすれば、私の体は血を吸わなくても他の吸血鬼達と同じくらい生きられると言った。

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作者名:遥樺 | 作成日時:2017年2月9日 0時

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