5枚目 迷路 ページ7
「じゃあ、ここをぬければいいのかな？」
「たぶん、おれはトレイ」
「わたしはA、よろしく」
自己紹介しながら薔薇の迷路に二人は足を踏み入れた
迷路は薔薇が全部咲き誇っていて、とても綺麗だ、だが、薔薇が道中全部赤色なので、目印となる物がない
「ぜんぶあかいろのバラしかないな」
「おんなじみちをグルグルしているような、してないような…ん？」
「どうしたんだケイト」
「トレイくん、タバコのにおいしない？」
「…ほんとだ、ひとがいるかもしれない！」
トレイとケイトは道中はぐれないように手を繋いで、タバコの匂いがする方角へ進んだ
「ゴホッ、すごいけむり」
「ここらへんだとおもうが…だれかいませんか！」
「静かにしてくれ」
二人の耳に男の声が聞こえた、目の前にある煙が消えると、見えたのは
「「イ、イモムシ？」」
そうイモムシが赤い大きなキノコの上に乗り、パイプを吸っていた
「じ、じつはバラのめいろにまよってしまって、でぐちをさがしているんですが」
トレイはケイトを背に隠すように前に立ち、イモムシに訪ねた
イモムシはパイプを吸うと、トレイとケイトに向かって煙を吐いた
「ｹﾞﾎｯ、けむりをおれたちにむかってはくのやめてくれないか」
「出口が知りたいんだったな、お前達はとっくの昔から知ってる、此処は不思議の国(ワンダーランド)、想像が現実になり現実が想像になる」
イモムシが言い終わると同時に周りの煙が急に濃くなった
「けむりがこくなつた」
「けむたい、ゴホッ」
煙が晴れると、イモムシは居なくなっていた
「なんだったんだ、あのイモムシ」
「でぐちをしってる？わたしたち、しらないけど…」
「なんだこれ」
イモムシが居たキノコの上にはトランプが2枚あった
「クローバーの3か、ケイトのほうは？」
「えっと、ダイヤの4？よくわかんない」
「トランプのカードっていうのはたしかだな」
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作者名：百華夜 | 作成日時：2022年11月17日 22時
