夢と現実 ページ10
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「…………俺にもう一度転生できる力はもうない。どうやって転生するつもりなんだ？」
「それなんだけど、実は俺、鬼なんだ。」
「え？今までの話では俺が鬼じゃなかったっけ？」
ぴくとからの急な告白でらっだあが困惑した表情をする。………もちろん俺もこのややこしい世界に頭を悩ませているが。
「まぁ俺人間じゃないから色々チート出来ちゃうわけよ。実際俺が鬼を受け継いだのは前世なんだけどね〜。転生ギリギリにぴったりのタイミングでね。」
ぴくとは大変だったんだから〜と少し笑いながら自らの首につけている黒の蝶ネクタイを外して、その裏から黒く濁った緑色のビー玉のようなものを取り出した。それを見たゾムや大先生、ロボロ、コネシマ、トントンが驚いた顔をしたのを俺は見逃さなかった。もっともトントン以外の4人は自分が驚いたことに対して不思議に思っているようだったが。
「これはね、封印の水晶。呪いの力だけを封印できるただ一つのもの。ほんとはもうちょい大きいんだけど持ち運びが不便だから小さくしたんだよね。これに俺の呪いの力を封印してある。封印の解き方は簡単でこれを割るだけ。ただし、割った後はすぐに転生をしないと呪いの力が消えちゃうからタイミング大事なんだけどね。……あ、お別れの挨拶とかは普通にできるよ。転生の準備から転生まで3分ぐらいはあるから。」
よくよく見てみれば水晶の中の黒い靄は不規則に動いていた。
呪いの力…数年前のちょっとだけ厨二病だった時憧れてた力。それを使って人気者になろう！………だなんて思ってたっけ。今考えてみればすごく馬鹿馬鹿しい。その力はそんな都合の良いものじゃない。ただ都合の良いものを欲している。それが厨二病ってやつなのかもしれない。
俺の夢が詰まったその力は現実では夢を感じる気配さえしなかった。
きっと、自分もみんなもこの世界も夢と現実の狭間を彷徨っていて、何かの拍子にそのバランスが崩れてしまい残酷な現実を見ている
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……………………なんて。まだ厨二病は治ってないのかもしれない。
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