【d！】嘘つきなんて嘘だった【軍パロ】【pkt】 (ページ9)

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自分とみんなページ9

sha side

「これが俺の知っている今までに起こったことだ。これまでの転生でらっだあ先生が封印されないでみんな救われる世界は無理だと思った。だからこの世界ではらっだあ先生が鬼を思い出す前に殺してみんな守りたかった。」

「……俺が前世の話をしたら怒ったり、Aちゃんをスパイに仕立て上げようとしたのはなんでなん？」

「前世とか思い出すと俺がらっだあ先生を殺そうとしているのがばれて止められるんじゃないかと思ったからだ。」

「……そっか」

そんなことがこの世界の裏側で起こっていたなんて思ってもいなかった俺は話を聞いてしばらく呆然としていた。らだお先生と過去の話をしているときは言っていたのに、今はらっだあ先生といっているところを見ると染み付いていたはずの呼び方が変わってしまうほど長い間転生を続けていたんだろう。誰にも相談出来ずに、たった一人で。

『ねぇ、それでぴくとが言ってたベストな結末…みんなが救われる結末にいくにはどうすればいいの？』

「………まぁいいや…えっと、まず、この世界でベストな結末にいくことは不可能だ。今、この世界で呪いの偶像は存在している。鬼と同じでこれも存在を無くすことはできないんだ。この世界で呪いの偶像は一度暴発を起こしている。長い転生を繰り返すうちに少しずつ呪いの力を封印してそれが耐えられないほどたまったんだろう。暴発を起こすと周りに呪いの偶像の中にあった呪いの力が解き放たれて近くの人間に根付くんだ。もしその人間が自分の持っている力に気付いて使ってしまったら鬼の存在がその人間にうつり、鬼だった者の存在は記憶ごとごっそり消滅してしまう。」

「え、それ俺消えちゃうってこと？」

「そゆこと」

先程まで黙って聞いていたらっだあが口を開いてそう聞いた。いきなり鬼だと言われ、さらに消えちゃうなんて残酷だ。

俺じゃなくてよかった…なんて思っちゃいけないのにどうしても考えてしまう。他のみんなもそうなのだろうか。

「でも、もう一度転生して次の世界に行けば中途半端なその力は持ち主から出ていきそして消滅する。…つまりこの世界でベストな結末を迎えるのは無理だけど、もう一度転生すればベストにいける…もう転生の必要は無くなるってこと。どう？納得？」

そう言ってぴくとは俺たちの顔を見回した。

人外だと言ったぴくとをまだ人間だと思ってる俺は静かにその顔をみることしか出来なかった。