終わらない世界で ページ12
pkt side
「転生…か。またみんなには会えるんだよな？」
「もちろん。大丈夫だよ。今よりももっといい世界になる。トントンさんも悩みなく…はいいすぎかもしれないけど、きっと楽しく暮らせる世界だからね。」
「…ねぇ、みどりくんやコンちゃん…きょーさん、レウにはその世界でも会えるんだよね？消えたりなんかしないよね？」
「そこに関しては大丈夫。事前に僕が呪いに関わるように仕組んどいたから。来世でも会える。」
「そっか…」
安心の声が響く中、着々と転生への準備はととのっていった。
今日一日、急なことがたくさんおき、信じられない真実をたくさん突きつけられたにも関わらず、それを受け止めて前進しようとしている彼らはさすが国のトップというところだろうか。
「準備できたぞ。時間がない。呪い力解放してくれ。…………転生を始める。」
先程までは少し安心も戻ってきていた雰囲気だったが、やはりいざ転生となると、少しピリッと緊張感のある雰囲気になった。
「じゃあ、みんなまた来世でな！とんちももう一人で抱え込んだりせえへんのやで！」
「…大先生に言われんくても分かっとるわ。」
「え？もしかしてトントンお前照れてんの？wトントンツンデレやったん？w」
「うっさいわシャオロン！」
緊張しながらも楽しそうに生きる彼らが俺は大好きだ。贔屓になるができる限りなんでもしてあげたいと思ってる。………あの人もそうな筈なんだけど。
「じゃあいくよ…みんなまた来世で会おうね！じゃねばい！」
そう言うと同時に俺は手に持っていた水晶を押しつぶした。その瞬間、トントンさんから眩い光が放たれ部屋を満たしていく。
やり切った。これで彼らにきっと平和な世界が訪れる。…もちろん、鬼の問題がなくなるだけで今までに鬼関係ないのに過酷な運命にあうせかいもあったから必ずしも平和とは言えないかもしれない。
俺はトントンさんよりも長い間この終わらない世界を見てきている。まぁ、それが俺の使命なんだけど。
今思えばいろんな世界があった。スワンプマンと呼ばれる存在に埋め尽くされてしまう世界、二人の男が謎の生物に侵され始めているのを救った世界、大先生が幽霊に好かれて騒動が起こった世界、彼らが実況者として活動する世界…………………そして、“あの世界”。
彼女はあの世界でこの世界の真実も俺の存在も知った。今もきっとその記憶はある。
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