◇ ページ7
「…はぁ」
「あいつは見に来てくれるのに、お前は行かないのかよ？」
「俺だって行きたいよ…でも、送別会に出ない訳には行かないだろ？」
晴矢に痛いところを突かれて、俺は目を逸らした。罪悪感で、火傷みたいにじりじりと俺の胸が痛む。
「良いじゃん別に。少なくとも俺なら彼女優先かなー」
「っ…そりゃ晴矢は、そういうことするのに抵抗無いだろうけど」
「おい、どーいう意味だよ。…てか、当たり前じゃね？」
確かに、晴矢の言うことに俺も賛成だ。だけどそれだけじゃ通らないことだってある。
先輩達とは、二年間ずっと一緒に戦ってきたんだ。常にスタメン入りしていた俺なんかは、特にお世話になった。
「…それでも、やっぱり抜けられないよ」
「ふーん…」
「だからって神月さんが大切じゃないって訳じゃ…」
「分かってるって。…本当、真面目って損してるよな」
呆れたように晴矢は大きな溜め息をついた。そうだね、と零れた言葉は、痛いくらいに自分に響く。
先輩達より神月さんを選ぶ方が、正解だったのだろうか。
言ってしまったからには、やっぱりやめるなんて取り消しは効かない。俺は、間違った選択肢を選んだ？
「神月のこととなるとすげぇ頼りないよな、お前」
「…これでも必死に頑張ってるつもり」
「俺がアドバイスしてやろーか？恋愛初心者サン？？」
「怒るよ晴矢」
漫画ならまさに「二ヒヒ」という効果音が似合いそうな笑顔で俺をからかう晴矢。
晴矢の言ってることが事実だから、俺が言い返すにも言い返せないでいるのを良いことに。
「…でも」
「ん？」
「本当に、必要かもしれない」
「…マジかよ」
「晴矢から言ったんだろ」
「いや、まぁそうだけど」
あの日父さんに認めてもらって、今日まで。俺は、何か彼氏らしいことを彼女にしてあげられただろうか？
彼女を襲う辛いことや苦しいこと、一緒に抱えてあげられているだろうか？
…むしろ、心配ばかりかけている。
「俺…もう神月さんのこと傷付けたくないんだ」
「確かに、お前には難易度高めだろうな」
「…晴矢」
「悪りぃって、言い方が悪かった。…あいつの彼氏って立場は、結構大変だと思うぜ」
けどな。晴矢は少し声を張る。俺と目が合うと、念を押すように俺の顔の前で指を差して言った。
「お前には有利な点がある。
…あいつが、お前の事すげぇ好きだってこと」
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輝(プロフ) - 布都御霊さん» コメントありがとうございます。最後まで完結できたのは皆様のお陰です！温かいお声、本当にありがとうございます(*^^*)キュンキュンできるようなお話を書けるようこれからも精進して参ります！ (2019年6月24日 20時) (
レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
布都御霊(プロフ) - 「君に、初めまして」完結おめでとうございます。何度も泣かせていただきました(泣)もう、この2人の初々しい見てるだけでキュンキュンするようなお話が見れなくなるのかと考えるとまた涙がぁ〜。(/_;) (2019年6月17日 3時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - 明日香さん» いつもコメントありがとうございます(^^)出来るだけ早く更新できるよう頑張ります…！ (2018年8月5日 7時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 久しぶりの更新ですね...！ずっと待ってました！！ありがとうございます^ ^今回も楽しく読ませていただきました。次回の更新も楽しみにしていますね！ (2018年7月31日 20時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 大丈夫ですよ^^更新されるまで、気長にずっと待ち続けます。応援してますね^^ (2018年6月18日 22時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2018年3月26日 16時
