◇ ページ6
「いいかげん慣れろよ、お前…」
俺も隣で呟く晴矢と同じことを俺自身に思っている。だけど、それが俺にとってはなかなか難しいことであるということも、自分で理解していた。
神月さんはいつも緊張したような面持ちで話すから、内心ほっとできる。慣れてないのは俺だけじゃない、それが唯一の救いだ。
「今、大丈夫だった？」
「うん。お昼食べてただけ」
「お前の話してたんだぜ」
えっ…と小さな声を上げて眉を下げる神月さん。余計なことを言うな、と俺は晴矢を横目で睨んだ。
「わ、私の話？」
「気にしなくて良いよ。神月さんも練習見てたかなって、話してただけ…」
「ふふ、そうなんだ。窓からなら少しだけ見てたよ。丁度、南雲君がシュートを決めてたところ」
「おっマジ？あれ超良いシュートだったよな！」
ふわりと笑って頷く神月さん。隣の晴矢と会話しているだけなのに、その笑顔は俺の視線を奪う。やっと涼んできた身体が、また火照ってきていた。
だけど神月さんが汗を拭うのを見て我に返る。神月さんが立ったまま聞き手に回っているということに気付いた。
「神月さん、ここ座りなよ。何か用があって来たんだろう？」
「あ、うん。…ありがとう」
日陰に入るよう手招きして、少しだけ晴矢側に寄った。彼女は静かに俺の隣に腰を下ろすと、そのまま俺の方を見た。
「流星群の予報がね、一日早まったの」
「えっ…そうなの？」
「だから私達も観測する予定を早めるんだけど…試合の後、空いてるかな？」
俺は晴矢と顔を見合わせた。例年通りなら…試合の後は、打ち上げと証した先輩達の送別会がある筈だ。
勝っても負けても、先輩達は次の試合で引退する。お世話になった先輩と過ごす、最後の時間…。
「…試合の後は、送別会があって」
「…」
「そっか…うん、分かった。照美君にも、そう伝えとくね」
「本当ごめん…」
「ううん、謝らないで！基山君が悪いんじゃないんだから…」
優しく笑いかけてくれる神月さんに、胸が痛む。
それに、俺だって楽しみにしていた。断ったのは俺だけど…行きたかったな。
「じゃあ…残りの休憩時間、ちゃんと身体休めてね」
「うん…ありがとう」
立ち上がった神月さんが俺に背を向けた。それから思い出したように振り返って、また微笑む。
「試合は、ちゃんと見に行けるから！頑張って！」
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輝(プロフ) - 布都御霊さん» コメントありがとうございます。最後まで完結できたのは皆様のお陰です！温かいお声、本当にありがとうございます(*^^*)キュンキュンできるようなお話を書けるようこれからも精進して参ります！ (2019年6月24日 20時) (
レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
布都御霊(プロフ) - 「君に、初めまして」完結おめでとうございます。何度も泣かせていただきました(泣)もう、この2人の初々しい見てるだけでキュンキュンするようなお話が見れなくなるのかと考えるとまた涙がぁ〜。(/_;) (2019年6月17日 3時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - 明日香さん» いつもコメントありがとうございます(^^)出来るだけ早く更新できるよう頑張ります…！ (2018年8月5日 7時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 久しぶりの更新ですね...！ずっと待ってました！！ありがとうございます^ ^今回も楽しく読ませていただきました。次回の更新も楽しみにしていますね！ (2018年7月31日 20時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 大丈夫ですよ^^更新されるまで、気長にずっと待ち続けます。応援してますね^^ (2018年6月18日 22時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2018年3月26日 16時
