chapter:25 夢を合わせる ページ42
学校では新学期が始まり、同時に俺達にとっても新しい生活が始まった。
慣れないAに電車の乗り換えを教えながらの通学は、いつもより少し忙しなかったけれど、それはそれで新鮮で楽しかった。
朝練の無い日は、また一緒に電車に揺られるのだろう。それが当たり前だと感じるようになるには、どれくらいの時間がかかるだろうか。
俺のことだから、この幸せな気持ちを抱いたまま過ごすような気がする。
キャプテンになった俺は、放課後遅くまで部室に残ることが増えた。
戸締まりを終え校舎を見上げると、決まって天文部の部室にはまだ明かりがついている。
扉を開けると、笑顔で迎えてくれるAとアフロディ、そして何故か晴矢と緑川まで俺を待ってくれていた。
今までも学校生活で不自由なことは特に無かった。けれど、これほどの温もりを感じることも無かった。
大切なものに囲まれ、こんなにも幸せを感じている。
それもこれも、Aに出会ったからだと噛み締めるように目を閉じる。右からも左からも、賑やかな声が聞こえてくる。
「彼処は本当に抹茶アイスが美味しいんだって！ねっ、神月ちゃん？」
「うん、あっさりしてるのに濃くて美味しかったよ」
「好きじゃねぇもんわざわざ食べに行くかって…それに、別に抹茶とか食べれなくても損しねぇだろ」
「抹茶は少し大人の味だからね。南雲君には少し早いのかな？」
「…何だと、アフロディ？誰が子供だって？」
「子供だとは一言も…」
楽しそうに語る緑川、誰にでも噛みつく晴矢、それをものともしないアフロディ。
そっと目を開き、隣を歩く姿に視線を向ける。
幸せそうな笑顔を浮かべるA。目が合うと、恥ずかしそうにはにかんだ。
「ヒロト君、今度一緒に食べに行こうよ」
「うん、勿論」
「じゃあじゃあ！俺がまた案内するねっ。南雲もおいでよー」
「だから行かねぇって。お前らだけで行ってこいよ」
今日も課題が山積みで、家に帰ったらまた部屋に籠ることになる。
だけどこんな日々を過ごすことが出来るなら、大変なことも簡単に乗り越えていけるような気がするんだ。
自分の未来に向かって、歩みを進めていけると思うんだ。
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輝(プロフ) - 布都御霊さん» コメントありがとうございます。最後まで完結できたのは皆様のお陰です！温かいお声、本当にありがとうございます(*^^*)キュンキュンできるようなお話を書けるようこれからも精進して参ります！ (2019年6月24日 20時) (
レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
布都御霊(プロフ) - 「君に、初めまして」完結おめでとうございます。何度も泣かせていただきました(泣)もう、この2人の初々しい見てるだけでキュンキュンするようなお話が見れなくなるのかと考えるとまた涙がぁ〜。(/_;) (2019年6月17日 3時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - 明日香さん» いつもコメントありがとうございます(^^)出来るだけ早く更新できるよう頑張ります…！ (2018年8月5日 7時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 久しぶりの更新ですね...！ずっと待ってました！！ありがとうございます^ ^今回も楽しく読ませていただきました。次回の更新も楽しみにしていますね！ (2018年7月31日 20時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 大丈夫ですよ^^更新されるまで、気長にずっと待ち続けます。応援してますね^^ (2018年6月18日 22時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2018年3月26日 16時
