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全国大会の決勝まで、あと一週間を切った。
「…ピークの予報が早まってる」
「珍しいけど、有り得ないことも無いからね」
「でも、これじゃ…」
「うん…準備を始める時間と、試合の時刻が重なってしまうね」
しかし、大きな壁が私達の前に立ちはだかっていた。
予報は飽くまで予報だから、多少の変更は考慮に入れていた。でも、思っていたよりも大幅なものに、私達は頭を抱えた。
今の進路から行くと元の予定時刻よりかなり早まるらしく、今出ている予報で約一日早まっているのだ。
私は勿論、今回は照美君も決勝戦を見に行く予定にしていた。けれどこの調子では、準備にかかる時間を逆算してみるとどうしても試合時間と被ってしまう。
二年である私達が、準備を抜けるわけにもいかない。
「…仕方ないか」
これも大切な天文部の一大行事。
それに、ただでさえ文化部はお金を回してもらえないのに、活動実績がこれ以上減ったら部活としてやっていくことも困難になる。
「いや、君は行くべきだ」
「え？」
「基山君は、君が見に来てくれることを楽しみにしているんだよ？」
「でも照美君一人で準備するなんて…」
「ふふっ、大丈夫。一年生に手伝ってもらえばいい。それに、僕の手にかかれば人手なんていくらでも呼べる」
笑顔でそんなことを言ってのけるので、かなりの説得力がある。だからと言って、私ばかり楽をするのは申し訳ない。
「照美君が残るのに、私だけが行くなんて駄目だよ。私も手伝う」
「Aちゃん。君は僕じゃなくて、基山君を第一に考えなきゃいけないよ」
私の核心を突くように、照美君はそう言い放った。私はその言葉に言い返せなくなる。
確かに今の私にとって何より大切なのは基山君だ。決勝戦、また前線で走る彼を見たいと思う。
「…良いのかな」
「こっちは君が来られなくとも問題は無い。でも基山君は君が来ないと、少なからず寂しいと思うだろうね」
分かるだろう？というような視線に、私は頷くしかない。
彼はまた優しく微笑んで、それじゃあ、と立ち上がって言った。
「それで決まりだ。あとは彼自身にも、大会の後でも来られるのか聞かなきゃいけないね」
「それは、私が聞いておくよ」
「うん。助かるよ」
基山君とは、夏休みに入ってから一度も顔を合わせていない。
…休憩時間、何時からって言ってたかな？
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輝(プロフ) - 布都御霊さん» コメントありがとうございます。最後まで完結できたのは皆様のお陰です！温かいお声、本当にありがとうございます(*^^*)キュンキュンできるようなお話を書けるようこれからも精進して参ります！ (2019年6月24日 20時) (
レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
布都御霊(プロフ) - 「君に、初めまして」完結おめでとうございます。何度も泣かせていただきました(泣)もう、この2人の初々しい見てるだけでキュンキュンするようなお話が見れなくなるのかと考えるとまた涙がぁ〜。(/_;) (2019年6月17日 3時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - 明日香さん» いつもコメントありがとうございます(^^)出来るだけ早く更新できるよう頑張ります…！ (2018年8月5日 7時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 久しぶりの更新ですね...！ずっと待ってました！！ありがとうございます^ ^今回も楽しく読ませていただきました。次回の更新も楽しみにしていますね！ (2018年7月31日 20時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 大丈夫ですよ^^更新されるまで、気長にずっと待ち続けます。応援してますね^^ (2018年6月18日 22時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2018年3月26日 16時
