◇ ページ14
夏らしい清々しい程の青空。負けじと明るく視界に広がる芝の緑と、照り付ける太陽。
炎天下汗を拭いフィールドに立つ俺達には、いつもの蝉の声なんてどうでも良くなるくらい、盛大な歓声が降り注いでいた。
まだ試合前だって言うのに場内の盛り上がりは既に最高潮だ。
「これがラストだぜ、ヒロト！」
その空気感に乗せられ、晴矢はいつも以上に血が騒いでいるようだった。彼の溢れんばかりの高揚感が、その声を通して伝わってくる。
「そうだね。去年もこんな感じだったっけ？」
「何言ってんだっ。全国一を決める大会だぜ？盛り上がるに決まってんだろ！！」
「…うん、そうだよね。この流れに乗った方が勝ちだ…！」
そして俺も例外じゃない。こんなに広い会場で、日本一を賭けサッカーをすることが出来る。感情が高ぶらない訳が無かった。
ぐるりと観客席を目で見渡す。対戦相手の応援も勿論あるが、決してアウェイな雰囲気では無い。
その場の空気はこれ以上に無いほど完璧だった。後は、どこまで俺達が波に乗るか。
「…神月さん」
準備があった筈なのに、わざわざ見に来てくれた。風丸君も、円堂君も。皆が俺達の為に来てくれている。
相変わらず今日も、この観客の中から彼女を見つけ出すことは出来そうに無い。
それでも、俺の背中を押してくれるような心強さは、確かにここにある。
今日はきっと会えない。少しの言葉を交わす時間も無いだろう。
その代わり、俺は精一杯走りきる。神月さんに、今までで一番の試合を見せると約束するよ。
「この試合も、俺らでバンバン点取ってくぞ」
「あぁ、勿論。でも、序盤からあまり飛ばし過ぎちゃ駄目だよ？」
「分かってるって。任せとけ！」
早く走りたくて仕方が無いのか、晴矢はその場で跳んだり足首を回したり、ずっと動き回っている。
本当に俺の忠告が耳に入っているのか分からないけど、晴矢なら羽目を外し過ぎることはないだろう。
相手側がセンターでホイッスルを待っている。俺達と同様、決勝という場に立っていることで気持ちが高ぶっているようことが、その表情から見て取れた。
少しずつ、緊張感が俺の心臓を急かし出すけど。響き渡るホイッスルの音で、そんなものは一瞬で吹き飛んだ。
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輝(プロフ) - 布都御霊さん» コメントありがとうございます。最後まで完結できたのは皆様のお陰です！温かいお声、本当にありがとうございます(*^^*)キュンキュンできるようなお話を書けるようこれからも精進して参ります！ (2019年6月24日 20時) (
レス) id: c19a41cb32 (このIDを非表示/違反報告)
布都御霊(プロフ) - 「君に、初めまして」完結おめでとうございます。何度も泣かせていただきました(泣)もう、この2人の初々しい見てるだけでキュンキュンするようなお話が見れなくなるのかと考えるとまた涙がぁ〜。(/_;) (2019年6月17日 3時) (レス) id: ac233dda56 (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - 明日香さん» いつもコメントありがとうございます(^^)出来るだけ早く更新できるよう頑張ります…！ (2018年8月5日 7時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
明日香 - 久しぶりの更新ですね...！ずっと待ってました！！ありがとうございます^ ^今回も楽しく読ませていただきました。次回の更新も楽しみにしていますね！ (2018年7月31日 20時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 大丈夫ですよ^^更新されるまで、気長にずっと待ち続けます。応援してますね^^ (2018年6月18日 22時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2018年3月26日 16時
