chapter:12 夢うつつ ページ14
「ヒロトー、早くっ！」
「走っちゃ駄目だよ、危ないからっ…！」
緑川に手を引かれて、俺は掲示板のある隣の校舎へと向かっていた。緑川は今回自信があるだけあって、誰よりも早く順位を見たいらしい。
同じように本館の校舎に向かう生徒を追い抜いて、俺達は走って階段を駆け下りた。
「緑川、そんなに急がなくたって良いじゃないか」
「何さー、ヒロトだって気になるだろ？」
「それはそうだけど…」
こうやって足を止めようとするのは、まだ心の準備が出来ていないからだ。心臓の脈が身体中を震わせているのを感じる。
それを走って紛らすのもありだけど、今は立ち止まって一度落ち着きたかった。
勿論、緑川が素直に頷いてくれるわけはなく、すぐに俺達は掲示板の前についた。まだ、誰も居ない。
緑川の手が離れた。彼は貼り出された紙に、顔をくっつくほど近づけ自分の名前を探す。俺の視線は、そんな彼の後ろ姿から目当ての場所へゆっくりと移った。
一位と書かれた文字の下に、俺の名前がある。そこが俺の定位置だ。
「ヒロトッ、俺二十位だって！初めてだっ、こんな高い順位！」
「よかったじゃないか。数学、自信あったもんね」
「…あー、ヒロトはまた一位かぁ…いいなぁ、俺も一位になってみたいよ…」
相槌を打ちながら、俺は各教科の学年順位へと目を移す。まずは現代文、古典、それから数学…。
「…やっばぁ、全部ヒロトの名前じゃん」
緑川は半分引いたような声で俺の隣で呟いた。段々と集まってきた生徒達も、順位を見てざわざわと騒ぎ始める。
宣言通り、順位表の一番上は全て俺の名前が埋めていた。
「ちょっ…ヒロト…？！」
「…よかった」
そう思った瞬間、ぐらりと視界が揺れた。脚がふらついて、真っ直ぐ立てなくなる。
緑川の支えで、転ぶことはなんとか免れたけど。彼の腕に頼らなければ、どうにも頭がグラグラとして立つこともままならなかった。
「…ねぇ、大丈夫…？あっ、もしかして、独占でしちゃうなんて予想外で驚いちゃったの？」
「…うん、そうかもね」
そう言いながら、もう一度順位の並びに視線を戻す。その時、気付いた。
「！」
俺の名前の横に、神月さんの名前があった。
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狩間篤花(プロフ) - リベリさん» コメントありがとうございます！お久しぶりですー(°▽°)二人の関係、楽しんで書かせてもらっています！四章の方で頑張っておりますので、そちらもよろしくお願いいたします(о´∀`о) (2018年1月4日 22時) (
レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - お久しぶりです!!本当にいつ見ても感動します!!風介...二人の為に...優しいですね!!どんどんいい方向に進んでいますし、二人が進展する事を願っています!!頑張って下さい!!^ω^/ (2017年10月29日 2時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» 心配をお掛けして申し訳ございません…！出来るだけ更新できるよう、最善を尽くして参ります(о´∀`о) (2017年9月5日 23時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
リベリ - 狩間篤花さん» わぁ...！本当ですか！？嬉しいです！！更新なさっていなかったので、心配しました...！これからも更新頑張って下さい！！ (2017年9月2日 17時) (レス) id: cb7b132aff (このIDを非表示/違反報告)
狩間篤花(プロフ) - リベリさん» これから大会編の方も更新していきますので、よろしくお願いいたします(о´∀`о) (2017年9月1日 22時) (レス) id: 9ce959db1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩間篤花 | 作成日時：2017年6月27日 16時
