【ヒロアカ】依存系幼馴染み【短編】 (ページ3)

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依存３ページ3

当時私たちは、10歳だった──────

川辺で、繰心一家、緑谷一家、爆豪一家でバーベキューをしていた。

「美味しいね」
「楽しいね」

そんな言葉をずっと言っていたのを覚えている。

個性が出てから、いずくんとかっちゃんは仲が悪くなった。
と言うより、かっちゃんがいずくんを虐めていた。
でも、三人でいる時は、二人共喧嘩せずに笑ってくれていた。

「三人は仲がいいね」

どの親からも言われた。
容姿も違う。性格も違う。個性も違う。

それでも、私たち三人は、兄弟のように育ってきた。いつだって変わらず。

物心ついた頃には、いつも二人が隣にいて、いつも二人の隣にいた。

変わらないと思ってた。
親も、子も。みんな仲良く、過ごせると。このまま、楽しい人生を歩めると、私は信じていた。

突然だった。

バーベキューの準備をしていたら、お父さんが火をつけようとした時、強風が私達を襲った。

風と共に聞こえてきたのは＿＿＿＿＿＿

「うわぁぁぁぁ！！助けてくれぇぇぇ！」

私のヒーローの、お父さんの悲鳴だった。
静かになれば、耳鳴りと共に聞こえてくる。あの時の悲痛な叫び。

目を開けたら、火だるまになった父をそっと、母が抱きしめていた。

母に火が移る中、母は私に笑いかけた。

「あなたのその個性、若しかしたら苦しめるかもしれない。

だけど、大切な人のために使いなさい？」

「おかっ…」

「愛しているわ」
「愛していたよ」

両親のその声を最後に、二人は川に飛び込んだ。