【ヒロアカ】依存系幼馴染み【短編】 (ページ1)

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依存１ページ1

雄英高校ヒーロー科1-A

その隅で、放課後、クラスメイトと他愛もない話をしている、繰心(くるこころ)A。

そんなAに声をかける、幼馴染み。

「A、帰ろ！」

「…早くこねーと置いていくぞ」

「待って！いずくん！かっちゃん！」

“置いていくぞ”

その言葉に過剰に反応したAは、急いで荷物をリュックに詰め込み、二人の元へかけていく。

「オラ、早くしろよ」

そう言いながらも、しっかり待ってあげる爆豪勝己。

「ちょっ、かっちゃん待ってあげよ？」

純粋に待とうとする、緑谷出久。

この2人は、繰心Aの幼馴染みである。

「お待たせ！」

「おせぇ」
「まぁまぁ…行こうか」

「うん！」
「ん」

三人は教室から出ていった。

教室に残された生徒達は、その様子をずっと見ていた。

「あいつらって幼馴染みなんだよな？」

上鳴電気が言う。

「そう…みたいだけど…なんか違う…？」

疑問形ながらも、応える麗日お茶子。

「…あの三人の関係とは一体…」

蛙吹梅雨も考えるように呟く。

「いや、それよりも…」

八百万百の声に合わせ、全員の声がハモる。

「「繰心Aになにがあった」」

三人の異常さは、目に見える。

何かとくっついていることが多く、その中心にいるのは、必ず繰心Aなのだ。
元々、緑谷出久と爆豪勝己は仲がいいようには思えなかった。

それは、体力テストの時もそうだ。
爆豪勝己が緑谷出久に向かって"無個性のくせに"と言っていたことは、記憶に新しい。

だが、爆豪勝己を止めたのは、他でもない。繰心Aだった。

爆豪勝己も緑谷出久も、繰心Aには、どこか甘く、繰心Aも、爆豪勝己と緑谷出久に依存しているような行動はとっていた。

生徒の疑問は深まるばかり。
先生に聞いても、知らないの一点張りで、何も教えてくれない。

繰心Aは、爆豪勝己と緑谷出久を巻き込み何かがあった。
それは確かなのだ。

やはり、誰もその"何か"を教えてくれるわけもなく、ただただ時間が過ぎていくばかり。

それでも、ただ一つ分かることがあった。
それは、繰心Aは異様に水と炎を“怖がっている”ことだった。

時々見せる、水と炎に対する恐怖の表情は、尋常ではなく、また、"何か"に関する鍵ではないかと、誰かが考えた。