嫌われ者。5【青葉城西】

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監「…上原があんな事するわけないってのは分かってる。」







静かになった部屋で、監督が言ったのはその言葉だった。







『…』



私は俯いたまま聴いた。







監「でも…今は春高予選の前で選手達に余計な事を考えさせたくない。





それは上原も分かるだろ。」









監督はそう続けた。









『はい…』



私は小さく返事を返す。







監「この件はちゃんと後でなんとかする。






だから、上原には悪いが部活はしばらく休んでくれ。」





『でも…』



監「それに上原もこの状況じゃいずらいだろ？」



『…』





監「上原が誰よりも部活の事を考えてくれているのは知ってる。




こんなことを上原に言うのも間違ってると思うが、今はどうか我慢して欲しい。」








我慢して欲しいか…








我慢なら今までずっとしてきたよ。







ずっと、


ずっとしてきた。









なのにその結果がこれだ。








本当に我慢する事で私が報われるんですか？



じゃぁなんで私がこんな思いしなくちゃならないんですか？



今はってどれぐらいですか？









ねぇ、私は春高を見れないんですか？









聞きたいことは山ほどあった。









『…分かり…ました。』






でも私はそう頷くしかなった。







私の居場所はいとも簡単になくなってしまったんだ。

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