嫌われ者。5【青葉城西】

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相変わらず空気は張り詰めたままで、鞄を漁る音だけが響く。





学年主任の先生…



私、授業持ってもらってないから初めて喋るな…




英語の先生だっけ？


綺麗だけど、ちょっと見た目キツそうかも。






生徒指導の先生は本当に怖い。


男子の体育担当だけど、よく怒鳴り声聞こえて来るもん。






2組の先生は…


すごい優しいけど、この先生が教科書読んでると眠くなっちゃうんだよね…




ていうかなんで2組の担任がいるんだろ？







私は頭の中でそんな事を考えながら待つ。



しばらくすると急にピタッと鞄を確認していた先生の手が止まった。




他の先生が確認していた先生の手元を覗き込んで顔を見合わせる。






『？』






やっぱり何が起こっているのか分からなくて私はキョトンとしたままだ。



そんな私の前に、先生はスッと持っていた物を差し出した。







「これは…あなたの財布？」








見せられたのは黒いブランド物の長財布だった。




私の財布は、二つ折りの紺色と赤色の財布だ。




差し出された財布は、私のでもなければ見覚えすらなかった。







『いえ、私のじゃないですけど…』







私は首を横に振った。





「じゃぁ、なんで上原が持ってるんだ？」





そう言ったのは担任だった。





『え？』





「上原の鞄にこの財布が入ってるんだ？」







担任は少し怒った口調でそう言った。








『どういう事ですか？』






私は何を言われているのか分からなくて顔を顰めた。

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