嫌われ者。5【青葉城西】

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岩「いい加減にしろよっ！」



一際大きくなった岩泉さんの声の後に、鈍く体育館が揺れた。




松「っ！」


及「ちょっ、岩ちゃん！」




松川さんの小さな悲鳴の後、焦ったような及川さんの声。



体育館の中がどんな状況かなんて分からないけど、良くない事は容易に想像できた。





岩「春高前にこんな事で突っかかってる場合かよ！？」





苛立った声。




やめて…



やめてよ…





耳を塞いで逃げてしまいたい衝動に駆られた。






松「こんな事…？」




岩「今は、マネージャー同士の揉め事に熱くなってる場合じゃねぇだろっ！？」




松「こんな事って、お前に何が分かるんだよっ！」




松川さんの声の後、また体育館が揺れる。




花「おい、松川！岩泉！やめとけって」




やめて




松「なんも知らねぇくせにっ！よく最低だとか言えるよなっ」




やめて




やめて




岩「はぁっ！？さっきからお前、何にキレてんだよ！意味わかんねぇわ」




やめて




やめて




やめて




及「2人とも落ち着いてっ！」




やめて




やめて




やめて




やめて




松「あんな必死にやってくれてたのに…こんなのあんまりだろっ」




やめて




やめて




やめて




やめて




『…っやめてよ』




私がいない方が、上手くいくんでしょ？



最低な奴でいいから。



嫌っていいから。




だからお願いだから、これ以上私のせいで変わってしまわないで。

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