嫌われ者。4【青葉城西】

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及「それでちょっと上原ちゃんの意見を聞きたいというわけ。」








『私の…ですか？』







及「そ。だって、元とはいえ全国級のセッターでしょ？」




『それ中学の話ですし、私が及川さんのセットアップに意見なんて…



…矢巾さんとか、渡さんとかじゃダメなんですか？』







絶対元セッターより、現役でプレーしている人の意見の方が参考になる。





及「いやぁ、だって、矢巾とは正セッター争いしてるライバルなわけだし、こういうこと聞きにくいんだよ。



かと言って、矢巾じゃなくて渡っちにきくのも変じゃん？？」





『あぁ…確かに…』





そういうものかもしれない。



と、中学生の頃の事を思い出して納得する。





及「だから、上原ちゃんにきいてんの。」



『分かりました…
じゃぁ、参考になるか分かりませけど



私が思うには…


温田さんって割とスパイク打つときのフォームに癖があるじゃないですか？

人より踏み込みが短くて基本的に飛んでからスイングが早いんですよね…

その分打点は少し低いですけど、コースの打ち分けがしっかり出来るタイプのスパイカーだと思うんです。』





及「確かに、温田っちはコースの打ち分け上手いよね…」




及川さんが頷く。





『でも、及川さんのオープントスは割と高めだから…




だから、いつものフォームだと微妙に合わなくて、踏み込みでボールに合わせようとしていづそうになっちゃうんじゃないんでしょうか？』





及「なるほど、じゃぁもうちょい低め？」






『そうですね…




低めで直線的なトスの方がタイミング合わせやすくて温田さんには打ちやすいのかも…？






あ、あくまで！私の意見ですけど！』







私は真剣に考察した後、我に返って慌てて注釈を付け足す。




これで、大外れなら赤っ恥だ。

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